獣は、あきらめが悪い。
〜中田花奈、殊勲の逃走劇
文・千嶋辰治【金曜担当ライター】2025年2月21日
各チーム96試合に及ぶレギュラーシーズンも残り20試合を切ろうという終盤戦。

第1試合では鈴木大介がらしい攻めっぷりでトップを奪取。
しかし、BEASTの置かれた環境は変わらず厳しい。

6位のABEMASまで780ポイントあまりの差で、残り19試合。
6・7・8位のチームをキレイにかわすためには、ほとんどのゲームでトップを取り続けなければならない。

シーズン終盤ならではの条件戦。
それも、トップ縛りが続く「究極の」条件戦。
負けたら終わりの舞台に、中田花奈が降り立つ。

第2試合
東家:小林剛(U-NEXT Pirates)
南家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:中田花奈(BEAST X)
東1局。
先制攻撃は渋川。

ドラのがトイツの手で即リーチ。
同巡の中田の手牌がこちら。

こちらもドラをトイツにしてイーシャンテン。
解説の石橋伸洋プロも、
「この手はオリないでしょうね。絶対オリない方が良いと思います。」
と話していたとおり、勝負に値する手格好。
程なく中田は、

安めながらを引き入れてリーチ。

待ちの、山にはなんと6枚残り!

渋川がこれを一発で掴んで中田に軍配。

裏ドラは乗らず、リーチ一発ピンフドラ2の満貫をものにして一歩リード。
続く東2局。

再び先制攻撃は渋川。
またもや愚形テンパイながら、タンヤオドラ1と打点は十分のリーチで場を制圧しにいく。
が、

渋川の最後のアガリ牌であるを引き入れて追っかけリーチ。

渋川のアガリ牌は山に残っておらず、中田の待ちは4枚残り。
数分前に眺めたばかりの光景に、渋川の首元が涼しげに見えたが…

ここでをつかまされたのが小林。
は渋川の現物ながら、中田には通っていない。
ドラがということで、ワンチャンスながら
は当たると痛い。
切る候補はそのいずれかだろうか。