チームメイト共に 日向藍子 笑顔で獲った個人賞!【Mリーグ2024-25観戦記 3/24 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

この【2ソウ】で撤退。
決して無理はしない。オリられそうな算段がつけば、オリを選ぶ。

東4局

ここでの日向の選択が面白い。
【南】【發】役牌対子で、仕掛けていきやすい手だったが、8巡目までその役牌が顔を見せなかったことと、チートイツイーシャンテンになったこともあって、ここは打【6ソウ】チートイツに決め打つ選択。

副露は手を短くするので後にオリの選択になった際に種類が少なく手詰まりを起こしてしまうこともあるが、チートイツならば比較的安全な牌を残しやすい。
守備に重きを置く日向らしい選択だ。

日向の狙い通り、寿人の親リーチ、それに対して真っ向から向かって行く園田の仕掛けに挟まれた後に、安全にテンパイを取ることに成功。
【6ピン】【8ピン】はどちらも通ったばかりの牌だが、より外側かつ切られやすい【8ピン】に照準を合わせた。

これをオリていた中田から討ち取り。
3200の加点ももちろん大きいが。

寿人のこのドラ4枚を使った親リーチを蹴ったことがなにより大きい。
【6ソウ】切りのタイミングでチートイツに決め打つことができていなかったら、手の内に寿人の当たり牌【5ピン】が残ってしまい、アガれていなかったかもしれない。

南2局1本場でも、この【3ソウ】【6ソウ】待ちをダマテンに構えて中田から打ち取った。
トップをこの手で決めるべく、リーチする打ち手もいるかもしれない。
それでも日向は、ここはリスクを抑えて局消化をする道を選んだ。

南3局

日向が6巡目に【6ソウ】を引いてきて、親の現物である【西】を手放した。
前巡【7マン】を切っていることから見ても、日向は相当リスクを抑えて安全な牌を残したい進行をしていたが、ここは目一杯に受けた。
【3ソウ】を雀頭としてくり抜いてもらえると分かりやすいが、ソーズの形は【2ソウ】【4ソウ】【6ソウ】となりリャンカンの形が残る。

タンヤオで鳴きもできるこの【6ソウ】はしっかり残す。
この【6ソウ】残しが効き、寿人からの【5ソウ】をチーすることに成功。これでタンヤオドラ1のテンパイだ。

もちろん相手の速度を測り、安全牌を持つ意識も大切。
だがそれ以上に、麻雀は先にアガりを取ってしまうことが最大の守備にもなる。
きっちりと先に切る牌と残す牌の線引きができている。

この局は園田の選択も非常に面白かった。
日向にテンパイが入った直後。ドラ表示牌の【3マン】を引いてテンパイ。
【9マン】を切れば、ツモって三暗刻のリーチが打てる。

が、園田はなんとここで【7マン】【8マン】切りを選択。
【9マン】が悪くないことから、役満四暗刻まで見ながら、ドラの【4マン】を引いた時はまたそこで選択できるように、という面白い選択だ。

狙い通り、【9マン】を引き入れてツモり四暗刻のリーチ敢行。
なかなかこのテンパイに辿り着ける打ち手はいないのではないだろうか。園田の強さが存分に表れたこの手順。

が、園田の現物【3ソウ】を待ちに変えていた日向が、中田から討ち取った。
細かいアガリで、今度は園田の勝負手を蹴ることに成功。

南4局

1局、また1局とアガリを重ねてたどり着いたオーラス。
日向はここでも徹底していた。このイーシャンテンから、選ぶのは【6マン】切り。
こうしておけば、三色での仕掛けが効くのが大きい。

実際、この【7ソウ】を寿人から鳴くことに成功し。

園田から【7マン】を捉えてフィニッシュ。

実に5度のアガリ。
それでいて、リーチ回数0というレアな成績を残して。
見事個人タイトル獲得を決定付けたのだった。

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