熱論!Mリーグ【Mon】
安定のゲーム回し!
全く弱点が見当たらない
白鳥翔の「美しい一打」
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年3月2日
勝又「急に編集長に呼び出されたけどいったいどうしたの」
遠山「教授、実は3月で私は編集長を退任することになりました。今後は別の組織に入ります。そしてウェブでMリーグの記事を書いていこうと思うんです」
勝又「あらそれは。ヤホートピックスで君の記事が見られるのも近いかもね」
遠山「はい。後任はイトシンくんに託そうと思います」
いよいよ3月。各チーム残り10戦を切ってついに最終盤を迎えている。Мリーグにも変化があった。
まずは解説者だ。ここからはデリケートな戦いが続くこともあって、Мリーガーではない実力者たちが解説役を務める。以下は今後の日程と解説者。
3月2日 金太賢プロ
3月3日 河野直也プロ
3月5日 山井弘プロ
3月6日 渋川難波プロ
3月9日 土田浩翔プロ
かつて、現サクラナイツ所属の内川幸太郎プロもこの時期に解説を務め、その後Мリーガーになった。今年もこの中からМリーガーが生まれるかもと想像するとワクワクする。今のうちに要チェックだ。それにしても9日だけ随分既視感ありますね。
今回の解説者はこの方。金太賢(キム・テヒョン)プロ(@kimu_wakajisi) 。日本プロ麻雀協会所属。Мリーグしか見ていない方にとってはなじみが薄いかもしれないが、昨年のドラフト候補にも挙がったほどの実力者だ。そういえば昨年のМリーグドラフト直後の金プロのツイートには胸を打たれた記憶がある。
そして今回から対局直前の控室の様子も映されるようになった。なんだろう、各々特徴が出ている。もうこの1枚だけで面白い。これからどんな画が見られるだろうか。こりゃ最終日まで目が離せませんね。
今回は1戦目の模様をお送りする。
1戦目
南家 茅森早香(セガサミーフェニックス)
東1局。あとがない風林火山は亜樹を投入。起家に座った。
配牌はイマイチ。このくらいの手ではまっすぐに前に行く気がなくなってしまうが、初手に字牌を切って前に進む。
先制リーチは白鳥が打った。待ちはいかにもよさそう。索子が序盤からほどよく切られているため、山に残っていそうに思える。
これに亜樹が捕まった。安全牌がほぼなかったので仕方がないとはいえ、せっかくの親が流れてしまったのは痛い。5200点のリードを得た白鳥はここから徐々にペースを掴む。自身の得意とするゲーム回しだ。
東2局の白鳥。流れるように有効牌を引いて上図の手格好になった。きれいに数字が連なっているが、まだ頭がない。
を引いてきた。を切ればドラ単騎のテンパイになる。しかし白鳥はテンパイを取らなかった。次の一打は非常に参考になるので一緒にお考えいただきたい。
白鳥の答えは打。目先のテンパイにとらわれず、好形リーチを目指した一打だ。金プロは「大変美しい一打です」と、まるで懐石料理を味わったかのようなご満悦の口調で讃えた。
を引いて両面のテンパイに。なら三色もつく。河を見てみると場に1枚も出ていないし、高めのは山に4枚残っていた。これは勝負あり。
ほどなくをツモ。安めではあるがそれでも2000―4000だ。切りから生まれた美しい手順だった。
そういえば白鳥の風貌がちょっと変わって赤鳥になっている。ヘアカラーを変えてからチームが上り調子らしい。
東3局は茅森が瀬戸熊から8000点をアガった。続いて東4局。亜樹はダマテンを入れており、を持ってきて手が止まった。
と入れ替えてダマテン続行。345の三色も見ている。すぐにリーチもしたくなるが、点数状況を考えると旨味がない。ビハインドに立たされているチームのつらいところだ。力をためている最中に他家にアガられてしまった経験は皆さんもたくさんあるはず。
対照的に伸び伸びと打てるのは首位のフェニックス茅森だ。2位とはずいぶん差がついているので、大きなラスにさえならなければといったところ。上図のイーシャンテンになり、いまにも高打点のリーチが飛んできそうだ。