白鳥翔が歩みを進める
MVPへ続く道
文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2025年3月24日

3月24日 第2試合
東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:菅原千瑛(BEAST X)
西家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
MVP争いが、熾烈を極めている。

3月24日開始時点での、首位は園田。
しかし、2位の竹内との差は24.8ポイントとほぼ1着順しかなく、5位の寿人まで1試合でひっくり返る接戦となっている。
しかも、1試合目で園田がラスを引き、5位の寿人が2着だったことで、その差はより僅差になった。

2戦目に登板したのは、MVP争いに加わっている白鳥と、連投となった園田。

東場で伊達が断トツとなり、2人はほぼ並びのまま終盤に突入した。

南3局、白鳥の親番。

親番が落ちなければ当然、トップの可能性はあるが、余りにも配牌が悪い。字牌を残して、守備的に進めていく。
白鳥からすれば、園田とのMVP争いも大事だが、この試合でラスを引かないことも重要だ。
1戦目、日向がトップを取ったことで、6位サクラナイツとのポイント差は○○まで広がり、セミファイナル進出はかなり安泰となった。
ただ、サクラナイツは残り4戦あり、うち2戦はアベマズとの直接対決なので、サクラナイツが4連勝したときにアベマズの着順次第では、万が一の事態もあり得る。
園田との着順争いも大事だが、日向の僥倖のトップを帳消しにしないためにも、ラスだけは回避したく、最後の親番と言えどもこの手では真っすぐ進められない。
しかも3巡目には、トップ目の伊達がドラの8sを早々と切りとばし2シャンテン

南家の園田も、6巡目には平和のイーシャンテンになっていた

同巡、白鳥の手牌

完全に間に合っていない。
・
を重ねてポンしていくか、まだ3トイツだがチートイツを見つつ進めるしかない。
その直後、ラス目の菅原が動く。


4枚目のドラ表のが伊達から切られ、菅原は
でチー
ションパイのを打つ。
次巡、手からを切る。

その直後

白鳥は赤を引き、打点がアップする。
白鳥から見て、菅原の手はどう見えるのか。

菅原は、安牌の中の後に→
と切っており、チーして打
、その後
を手出ししている。
安全な字牌や、真ん中の牌を切ってまで1を持っていたことになるので、菅原の手はタンヤオには見えない。
678の三色も消えていないが、白鳥目線ではが3枚見えているので可能性としては低い。
残るは役牌だが、白鳥が1枚持っているだけが、唯一2枚見えておらず、菅原の当たりになり得る。
つまり白鳥目線では、この1枚浮いているが菅原の大本命なのだ。
菅原と白鳥の点差は7,800点。低打点をアガったとしても、全員がアガリに向かうオーラスで一人だけ打点を作る必要があり有利になったとは言えない。
そのため、ある程度打点がある仕掛けに見える。
が今時点では切れず、手牌の形も悪いため、白鳥は長考の末チートイツに固定する打
を選択する。

一般的に親番ではチートイツを選びたくないと言われている。
そもそものテンパイ率が低く、他の役との両天秤に取りにくいため、一度決めてしまうと方針転換が難しいからだ。
当然白鳥もノーテンになるリスクを理解した上で選んでおり、覚悟の一打だと言えるだろう。