魔神vs白鳳
心震える闘牌をあなたに
文・渡邉浩史郎【木曜担当ライター】2025年3月27日

第1試合
東家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
南家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:二階堂瑠美(EX風林火山)

先週、一度はアベマズとトップ三着を決めるも、返す二戦目で反対にトップラスを決められてしまったサクラナイツ。

残り四戦でこの差は厳しい。そう誰もが思っていた。
現実的に無理ではないが、針の穴を通す戦いであることは間違いない。

しかしこういう土壇場で針の穴を通してきたからこそ、彼らはここに立っている。

その事実を見せつけるかのように、3月25日の試合で内川と岡田のリレーでデイリーダブルを決めてみせた。

まずは第一関門を突破。最終戦直接対決、トップラス2回で捲る点差まで持ち込む。

そして本日、レギュラーシーズン最後の戦いとなるカードは奇しくも先週と同じ魔神と白き鳳凰。
究極の条件戦が幕を開けた。


開局から順調に和了りを重ねたのは渋川。
500・1000、1300オールと白鳥の勝負手を潰しながら加点をしていく。

【東2局1本場】も、白鳥と園田のリーチをかいくぐって和了りをものにする。

この時の白鳥の手牌がこちら。超ド級の勝負手な上、チーム的には渋川にトップを取らせなければいい状況。園田のリーチにある程度放銃しても、渋川の親が続くよりはマシという、言わば「押し得」な状態であったのだが、この渋川の和了りで瞬間並びが作られてしまう。

この並びだけはやっていない白鳥。【東2局2本場】、早々にを仕掛けての聴牌は自分で二枚使っているドラ待ち。不格好だが引いてしまえばマンガンでこの危機的状況から大きく抜けられる。

次巡、白鳥のもとに舞い降りたのは。ここで選択が迫られる。
一つはこのままツモ切ること。不格好とはいえ、マンガンの聴牌をひょっこり引いてしまえば僥倖。
もう一つはと外して赤ドラドラのくっつきイーシャンテンに戻すこと。裏目の
引きは激痛だがフリテン三面張聴牌と考えればギリギリ許容できる裏目と考えることもできるか。

白鳥の選択はツモ切りとした。瞬間のマンガン聴牌の偉さを重視した形だ。

とはいえ、あくまで瞬間の話。待ちの良さには代えられないと、次巡引いたで亜両面に受けなおす。

このに反応したのが渋川だ。仕掛けてW
と一気通貫のイーシャンテン。

園田のリーチを受けるが、ここで渋川も現物のWバックで追いつく!
そしてこれを掴んだのが……

白鳥だ!

打ち抜いての放銃は5800。これはあまりにも痛恨。
渋川の仕掛けには役牌が以外すべて二枚以上見えている。
もドラ表示牌と合わせて4枚見えているため、一気通貫の可能性はない。
の切り順のため、789の三色が出てくることもかなり限定的な手順となってくるため、表面上ではかなり危険な
に見える。
渋川がノーテンの可能性もあると見たか、ここは白鳥の思考が気になるところだ。

このまま終わってもう一半荘、同じような並びを作れれば前代未聞の大捲りだ。
サクラナイツサポーターからもアベマズサポーターからも違う色の悲鳴が聞こえてくる。