
この鬼気迫る表情をご覧ください。
「このゲームは絶対に獲る。」
怒りだけではなく、私には悲壮な思いすら滲み出ているようにも見えました。
この手、ご覧のとおりたったの1,000点の手です。
高い手だから前に出る、安いからやめる。
そんな損得勘定で打っているなら、そもそも仕掛けずにをトイツ落とししてやり過ごす道だってあったはずなんです。
でも、この場面は違いました。
何点の手だろうが勝負すべきと仲林は腹を括っています。

ノータイムで打ち出される。
無筋を2連発で切られた園田はこの表情。

まさしく斬り合い。
そんな言葉がふさわしいような緊張感が画面を通して伝わってきます。
と、ここで状況が少しだけ変化します。

園田がション牌のをツモ切り。

心なしか放銃とならずにホッとしたような表情にも見えますが、これが仲林の心を試すことになろうとは。

直後に仲林はをツモりました。
仲林の視点から考えるに、鳴いたを除いて園田に対してオリられる牌がここまでありませんでした。
しかし、が通って無筋の
が手元にやってくると話は別です。
「安全な道が見つかりましたよ。」
と、麻雀の神様が仲林の耳元で甘く囁きます。
「ほら、をトイツ落とししたって、
をツモったら上手く回れるじゃないですか。先に
を引いたって、その先はフリテンじゃないんですよ。何せ、相手は親。放銃したら致命傷になりかねないのですから。」
さらに神様はそう呟いて、仲林の心を試します。

卓上をじっと見つめる仲林。
先ほどまでの鬼気迫る表情から幾分熱が引いたように見えます。
冷静になって考えれば、安全な道が目の前にある。
ならば… と、仲林。

力みなく河に置かれたのは無筋の!
熱が引いたように見えたのは間違いで、実際は徹底的に殴り合う覚悟が定まっただけだったようです。

これにはさすがに園田の顔が歪みます。
(…どこまで来んねん。こっちは親リーチやぞ。)
と思ったか否か… でもそんなところでしょう。
そして次巡。

さまざまな筋が通った後で持ってきた。
両面待ちと仮定するなら、おそらくは最後に近い筋で超危険牌。
当たるならこれか?

長考に沈むなかb…

と書こうとした刹那、仲林は程なくをも河に並べました。

(……。)
先制リーチの園田がまるで窮地に立たされている。
そんな表情です。
そして、

をつかまされる園田。

勝負が決し、園田はこの表情。