たろうはをチーして
切り。ペン
への放銃を回避する!

待ちにはどちらもあるが、
は
にも当たるため
を切ってしまいそうだ。
ただと
では愚形待ちに当たる確率にかなりの差がある。

まずは既に2枚切られているのでシャンポン・単騎待ちは出てこない。カンチャンも
から先に
を切って、その後に赤
を払ったことになるためかなり不自然だ。
そしてはペン
・カン
・単騎待ち全てが否定されていない。
つまり69m待ちと愚形
待ちのどちらが出てきやすいかの比較になるわけだが、
が3枚切れており、
を先に切っていることを考えると、
の方が通しやすいという判断だ。
最初の切られたをポンするべきかチーするべきかの選択、そして
と
どちらをきるべきかの選択、この2つをどちらとも正解しないと、このテンパイにはたどり着いていない。
数巡後、山に1枚だけ残っていた赤が醍醐から放たれる。



タンヤオ赤3・ドラ1の12,000点を出アガり、優との点差を一気に詰める。
繊細な選択で勝ち取った12,000点だが、大胆な攻めもたろうの持ち味の一つ。
続く南3局1本場。

5巡目、早くもイーシャンテンになっていたたろうだが、ターツの選択を迫られる。
アガリやすいのは当然リャンメンだが、ドラがで、345の三色まで見えるため、最高打点には雲泥の差がある。
アガリやすさのか、高打点の
か。
しかし、たろうの選択はそのどちらでもなかった。

なんと、リャンシャンテン戻しのトイツ落としを選択する。
平和・タンヤオ・ドラ・三色、全てを狙える唯一の手筋だ。
しかし、理屈で分かってもここまで大胆に振りかぶることが、果たしてできるだろうか。
時には繊細に、時には常識を壊すほど大胆に。
正にたろうの強さが存分に発揮された試合となった。
7巡目、点数の無い本田がドラの待ちの二盃口を作り上げリーチをかける。

同巡、なんとたろうがを重ね、現物の
待ちで満貫のテンパイを入れる。

幸いにも本田に通る牌しか引かず、卓上にたろうのテンパイの気配が漏れることは無かった。



ベタオリしていたトップ目の優が、本田の現物のを切ってたろうに放銃する。
この直撃により、たろうはトップに。
オーラスはアガリ競争になるも、ラス目の醍醐がアガリ終局。
チームを再び首位に返り咲かせる3勝目を獲得した。


大一番で自身にしか打てない麻雀を打ち切り、しっかりと結果を残す。
チームにとってこれ以上頼りになる選手はいないだろう。
日本プロ麻雀連盟所属プロ。株式会社AllRuns代表取締役社長。業界を様々なやり方で盛り上げていくために日々奮闘中。Mリーグ観戦記ライター2年目。常に前のめりな執筆を心がけています(怒られない範囲で)。Twitterをフォローしてもらえると励みになります。
Twitter:@EzakiShinnosuke