戦友達と共に、この舞台に立てる今を 石井一馬【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 10/20 第1試合】担当記者 後藤哲冶

東4局

一馬はここから安全牌候補の【發】をもって【8ピン】切りを選択。
一馬は普段こうした安全牌を持って受け入れを狭くする選択をしない選手だからこそ、この選択は面白い。
【發】は岡田園田両名の現物でかなり安全度が高く、次巡どんな形での有効牌であっても、ほぼ【8ピン】切りになることから、この場面では先に【8ピン】を切っても良いと判断。
確かに見落としがちだが、現状雀頭もない都合上、どこかのターツの牌を縦で引いた時でさえも、【8ピン】切りになる。

園田からの親リーチを受けた後、一馬が追い付いた。
ドラの【1ソウ】を引き入れて、価値あるテンパイで【4ソウ】【7ソウ】待ちで勝負。

これを制した。
リーチ一発ツモピンフドラ1。
2000、4000のツモアガリで、これでまだまだトップが追える位置に復帰。
今回はあの【發】残しが何か結果を変えたわけではないかもしれないが、こうした1巡1巡の繊細な牌選びが、結果を変えることだってあるのが麻雀。

南1局

親番を迎えた親番の岡田が早々に【白】【東】をポン。
それに竹内の仕掛けもある中で、一馬が【3マン】を引いたタイミングで【1ソウ】を勝負。
【4ソウ】がドラなこともあり、【1ソウ】で当たる分にはそこまで高くないケースも多い。
通ったスジはかなり多いが、ここは自身も大物手ということで勝負。

次巡に、【4ソウ】を引いてテンパイ。
待ちをどうするか。打点は【3マン】を切っての【4マン】【7マン】待ちが高いが。

一馬は【6マン】を切っての【4マン】【5マン】【8マン】待ちを選んだ。
【4マン】【7マン】が既に一馬の目線から5枚見えてしまっている。
副露が2人に入っていることを考えても、めくりあうなら枚数の多い方で勝負。
狙い通りしっかり6枚残っていた。

この選択が功を奏した。
見事【8マン】をツモってさらに加点。
これで一馬はトップ目元太に400点差に迫る2着目に。

南2局

ここまで苦しい展開が続いている園田に良い手が入った。
イーシャンテンの選択は、カン【3ソウ】を払う選択。
ラス目で打点が欲しいためイーペーコーを残したくなるところだが、ソーズが全体にかなり高くなっている。
ここはアガりやすさでかなりカン【3ピン】に軍配が上がるということで、カン【3ソウ】を払った。

【6マン】を引いてカン【3ピン】でのリーチ敢行。
狙い通り【3ピン】はしっかり山に残っている。

その一発目、一馬の手番だ。
リーチの現物は【2ソウ】だけ。

親番で役牌【南】をポンしている竹内が、今【1ソウ】を切ったところ。
【1ソウ】は現物なので、オリている可能性も十分にある。

それでも、一馬の選択は一応リーチに通ってはいない中筋の【4マン】だった。
低い可能性であっても、竹内の手の中が今どうなっているかはわからない。
【1ソウ】【1ソウ】【3ソウ】から【1ソウ】を切ってカン【2ソウ】テンパイになっていることもあるし、次巡に安全牌が切られるかどうかで判断したいこと。
【4マン】は園田に通ってはいないが、【7マン】も早くに切られていて且つ、一馬目線でシャンポンも否定されていることも大きかった。
ほとんど当たらないなら、【4マン】の方が無難だと判断したのだ。

この選択がこの局の運命を変えた。
竹内は実際にカン【2ソウ】テンパイをしていたが、この【8マン】でやめ。
安全牌の【9ピン】の対子に手をかける。

それを見て一馬が打【2ソウ】
丁寧な打ち回しで、見事な放銃回避。
すると。

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