永井孝典から送られた挑戦状──3つの鍵を探せ!Mリーグ謎解き脱出ゲーム──【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/5 第2試合(麻雀チャンネル)】担当記者 小林正和

こちらはこの局、永井の配牌だ。

マンズのホンイツチャンタも見えるが、ドラの【9ピン】【赤5ソウ】を引くとリーチ手順にもなるし…。それなら先にダブ【東】切りもあるか…と、いきなり分岐を迫られる悩ましい手牌である。

ここで選んだのは

【6ソウ】

リーチよりも、ホンイツチャンタ寄りの進行である。

そして

ツモ【3マン】によりトイツが4組になった所で打【7ピン】とし、今度はドラ受けを拒否しながらホンイツ・七対子方面へと進んでいく。

ここで

萩原に【東】のポンが入る。

それならば次巡、国士無双以外のアガリには全く機能しない【東】に手が掛かるかと思われたが

なんと永井は【8マン】を選んだ!

確かに【8マン】は2枚切れだが、【東】はあるはずもない5枚目を引かない限り七対子としても価値はゼロ。

安全牌の【北】もあるし、まだ序盤なので手拍子で【東】を捨てる人も多いのではないだろうか。

しかし、そうしなかったのは

上家に居座る萩原の存在だろう。

比較的、腰の重い萩原が1枚目から早々に仕掛けるという事は


こういったドラ2以上と予想できる。それもカン【8マン】受けもあるので、まさに鋭い先切りだ。

つまり、今回は自身のアガリは遠い。それならば、不用意な放銃は絶対避けたいという表れなのである。

逆に、アガリが近いと思えば一瞬でギアが上がる。

東2局1本場

さっきは留めたダブ【東】から、今回は切り出していくと

真っ先にリーチ一番乗り!

アガリまでは生まれなかったものの、永井の中ではもう答えが出ていたのだろう。

「行ける局は行く。行けない局は行かない。」

たったそれだけ。
でも、そのシンプルさを正確にやり続けるのがどれほど難しいか、麻雀を打つ人なら分かるはずだ。

アガリに近いか、遠いかという

「メリハリ」

どうやら、一つ目の鍵はそれみたいだ。

🔑鍵その②:迷わない心
ある程度、牌効率や押し引きの基礎が整ってくるとトッププレイヤー同士の差は、技術よりほんの一瞬の判断や迷いに現れる事が多い。

永井の強さの2つ目の鍵は、どうやらそこの扉に隠れていそうだ。

東3局


【9マン】が1枚切れ、直前に【9ピン】が切られた瞬間であったが、迷わずシャンポン・リーチへ。

その後、萩原から追いかけリーチを受けるも、程なくしてツモアガリ。トップを快走する多井を追いかけるキッカケとなっていった。

実はこの局、似たような境遇にあったのが

瑞原だ。

面白いのは、同じタイミングでテンパイの頂きに立っていたということ。しかも、永井より1巡早い。

だが直前に切られた【8ピン】を見ると

その瞬間、ほんの少しだけ迷いが生まれ【9ピン】切りでテンパイを外した。

これが後に大きな後悔としてやってくる。

次巡、永井からのリーチ受けるとやってきたのは【8ピン】だ。
いわゆるアガリ逃し。

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