こちらはこの局、永井の配牌だ。
マンズのホンイツやチャンタも見えるが、ドラの
や
を引くとリーチ手順にもなるし…。それなら先にダブ
切りもあるか…と、いきなり分岐を迫られる悩ましい手牌である。
ここで選んだのは
。
そして
ツモ
によりトイツが4組になった所で打
とし、今度はドラ受けを拒否しながらホンイツ・七対子方面へと進んでいく。
ここで
萩原に
のポンが入る。
それならば次巡、国士無双以外のアガリには全く機能しない
に手が掛かるかと思われたが
なんと永井は
を選んだ!
確かに
は2枚切れだが、
はあるはずもない5枚目を引かない限り七対子としても価値はゼロ。
安全牌の
もあるし、まだ序盤なので手拍子で
を捨てる人も多いのではないだろうか。
しかし、そうしなかったのは
上家に居座る萩原の存在だろう。
比較的、腰の重い萩原が1枚目から早々に仕掛けるという事は

こういったドラ2以上と予想できる。それもカン
受けもあるので、まさに鋭い先切りだ。
つまり、今回は自身のアガリは遠い。それならば、不用意な放銃は絶対避けたいという表れなのである。
逆に、アガリが近いと思えば一瞬でギアが上がる。
東2局1本場
さっきは留めたダブ
から、今回は切り出していくと
真っ先にリーチ一番乗り!
アガリまでは生まれなかったものの、永井の中ではもう答えが出ていたのだろう。
「行ける局は行く。行けない局は行かない。」
たったそれだけ。
でも、そのシンプルさを正確にやり続けるのがどれほど難しいか、麻雀を打つ人なら分かるはずだ。
アガリに近いか、遠いかという
「メリハリ」
どうやら、一つ目の鍵はそれみたいだ。
🔑鍵その②:迷わない心
ある程度、牌効率や押し引きの基礎が整ってくるとトッププレイヤー同士の差は、技術よりほんの一瞬の判断や迷いに現れる事が多い。
永井の強さの2つ目の鍵は、どうやらそこの扉に隠れていそうだ。
東3局

が1枚切れ、直前に
が切られた瞬間であったが、迷わずシャンポン・リーチへ。
その後、萩原から追いかけリーチを受けるも、程なくしてツモアガリ。トップを快走する多井を追いかけるキッカケとなっていった。
実はこの局、似たような境遇にあったのが
瑞原だ。
面白いのは、同じタイミングでテンパイの頂きに立っていたということ。しかも、永井より1巡早い。
だが直前に切られた
を見ると
その瞬間、ほんの少しだけ迷いが生まれ
切りでテンパイを外した。
これが後に大きな後悔としてやってくる。
次巡、永井からのリーチ受けるとやってきたのは
だ。
いわゆるアガリ逃し。














