最後は仲間の力だとしても─ 醍醐大、正解をたぐり寄せた執念の決断【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 1/29 第2試合(麻雀チャンネル2)】担当記者 東川亮

すんなりテンパイとはいかず、14巡目の【3マン】引きで醍醐が長考に入った。

精査しているのは、ソーズの何を引けるのか、だ。

醍醐の立場としては、園田にはハネ満を放銃してもラス落ちはなく、基本的には腕を振って上を目指せる状況。園田の出したリーチ棒も含めると、1000-2000ツモか5200出アガリで高宮を逆転して2着フィニッシュだが、狙えるのであれば大介を逆転するハネ満ツモまで狙いたい。

この手をハネ満にするのであればリーチタンヤオピンフツモにあと2翻と考えると、手役であれば自然に視野に入るのが三色で、その場合は【5マン】を切って可能性を追うことになる。ただ、【7ソウ】が場に3枚切られているので567にはなりにくい。

一方で、醍醐はソーズを引くなら縦重なりの可能性が大きいとにらんでいたという。それであれば、雀頭を再度ソーズに求めての【3マン】切りが出てくる。

麻雀には、考えたところでそもそも正解の道筋がないような局面もある。ただ、醍醐はこのとき、「1個は正解がありそうだった」と思っていた。昨シーズンの主役が費やしたおよそ2分間の思考の末、下した決断は【3マン】ツモ切り、ソーズを重ねるルートの選択だった。園田にはマンズが全く通っていなかったが、そんなことはもう関係ない。

16巡目、ようやく醍醐がテンパイ。しかし引いたのはタンヤオピンフも消えて単騎待ちとなる【1ピン】。テンパイする11種、赤を含めた13種の中では最悪と言っていい。

こんなテンパイを組むために【3マン】を切ったわけじゃない。醍醐は【1ピン】をツモ切った。残りツモ回数はわずかに2回、しかしそれに懸けた、懸ける価値があると判断したのだ。とはいえ、局が最終盤に差し掛かる16巡目でのテンパイである。この選択ができる打ち手がどれくらいいるのか。

次巡、【6ソウ】引きで再度テンパイ。

【6ソウ】単騎待ちでのリーチだったら一発ツモだったじゃないか、なんて野暮は言わない。ツモれば逆転トップのフリテン【1ピン】【4ピン】【7ピン】待ちリーチ。

これがなんと、山に3枚も残っていた。しかもタンヤオが消える【1ピン】が枯れていて、あるのは高目のみ。他の3人には流れず、確率は14分の3。

麻雀的には高い確率に思えるかもしれないが、それでもツモれる可能性は4回に1回もない。

でも、我々は知っているはずだ。

麻雀はときに、確率をやすやすと凌駕する瞬間があることを─

『あれは堂岐がアガらせてくれた、あんなのアガれない』

試合後、醍醐はそんなコメントを残した。

もしかしたらそうなのかもしれない。

しかしそれは決して、人に左右できない力だけでなし得たものではない。

あまりにも鮮やか過ぎる、リーチ一発ツモハイテイタンヤオピンフ裏、逆転トップのハネ満ツモ。

それは醍醐が最後の一瞬まで可能性を追い思考を巡らせ続けた、執念の結晶である。

・・・そういえばフェニックスって、Mリーグチームでも特にこういう奇跡的な、ドラマティックなアガリを繰り出すチームだったよな。

合理と情念、幸運と思考の先にある「感動体験」

やっぱり麻雀って、Mリーグって、おもしろい!

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀シリーズ 新刊情報/