多井隆晴は迷わず
發を残して4mを切り
最後にほっと息をついた
文・うめきち【月曜担当ライター】2026年11月2日
第2試合
東家:多井隆晴(渋谷ABEMAS)
南家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:黒沢咲(TEAM雷電)
北家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
を残して
を切る
南1局。親番の多井隆晴は、手の中から
を切った。残したのは
である。
ここで、問いをひとつ渡したい。ターツを崩して、メンツ手には戻れなくする。かわりに、チートイツの一本道に入る。この
を、あなたは切れるだろうか。
私は切れない。
でも、多井は迷わなかった。少なくとも私の目には、そう映った。メンツ手を見切り、完全にチートイツに決める。その決め方が、ぴたりと当たったのである。
54歳の連投
この試合の多井は、渋谷ABEMASのチームリーダーとして、連投で卓に座っていた。前の試合はオーラスでラスを抜けての3位。先週は松本が6連投した。そして今週は多井が出てくる。チームは8位で、今シーズンのレギュラーシーズンを突破できなければ、入れ替えになる決まりがある。軽い背中ではない。
対面には、KADOKAWAサクラナイツの阿久津翔太。いつものように、険しい表情である。
TEAM雷電の黒沢咲は、直近が3位、3位。U-NEXT Piratesの仲林圭は、4連勝を狙って、ここまで+174.3と好調だ。
東場の先手は阿久津だった。東3局、
を切ってテンパイを崩し、待ちがよくなる形を狙ったのだと、私は見た。
そこからこの形になって、
リーチし、一発でツモって、リーチ一発ツモタンヤオ赤の2000-4000。
ラス目からトップ目に躍り出た。二つ名は「我慢が嫌いな食いしん坊」。この局だけは我慢して、いちばん大きなごちそうにありついたわけだ。
東4局は多井が取り返す。ドラ3のリーチに仲林が一発で放銃し、8000。
多井がトップに立って、南場に入った。
迷わない人のハネ満
そして南1局、冒頭の
である。多井はそのままチートイツに決め、リーチをかけた。
そこへ、仲林が一発で
を切った。
リーチ一発メンホンチートイツ。親のハネ満、18000。
多井は5万点台に乗り、一人抜け出した。
あの
が、多井の目にはよっぽどよく映っていたのだと私は思う。手の中の
を、最後まで信じた。その信じ方に、迷いがなかった。鳥肌が立った。アガった多井の、鬼のような気合の入った顔が、いまも目に残っている。
仲林は持ち点が▲4500になった。4連勝を狙っていた人が、マイナスから南場を戦うことになったのである。見ていて胸が痛かった。
多井はそのまま連荘する。1本場は600オール。
2本場は阿久津のリーチをはねのけて、7700は8300の追加。
ここまでくると、もう多井のひとり舞台である。
3本場、多井の高い手のリーチがかかる。
止めたのは黒沢だった。静かにダマテンを入れて、ピンフドラを1000-1600のツモ。
派手な点棒ではない。でも、勢いに乗った多井を止められるのは、こういう一撃なのだと思う。強気のヴィーナスは、ダマでかわす手つきもきれいだった。
満貫を打った直後のリーチ
流れが変わったのは南2局だった。阿久津のカン
リーチ。












