西原理恵子 & 山崎一夫 無謀対戦企画 でかピンでポン! たまには高レートでシビれてみよう!?

無謀対戦企画 でかピンでポン!

だいぶ前の話ですが、白夜書房の麻雀雑誌で「でかピンでポン」という、対戦企画を連載していたことがあります。
当時、ぼくはバカラなどのギャンブルに首まで漬かっており、西原理恵子さんは鼻まで漬かっておりました。

編集長の末井昭さんに至っては、頭の上まで水中に没しているというありさま。
麻雀は普通のレートで遊んでいたんですが、

「たまには、もうちょっとシビれるレートでもいいよね」
「いいね、フグ麻雀

と誰かが言いだし、さっそく危険な連載が始まったのでした。

勝負に負けると、白夜書房の原稿料では(失礼)とても間に合わない。
ゲストには対局料が出るけど、負ければもちろん大赤字です。

西原さんいわく、

末井さんが打たないとアタシやらないからね」

ゲストを入れても、もう一人必要ですが、一般の編集者では月給が危険にさらされるので、初心者ですが末井さんに打ってもらうしかありません。

「こんな企画で、ゲストが来てくれるかな?」

というのは杞憂で、第一回目の安藤満プロ(日本プロ麻雀連盟)を筆頭にたくさんのゲストが来てくれました。
作家の伊集院静さんは、どうやらレートを1ケタ聞き間違えたようで、厚さ2センチほどの札束を持参しておりました。

この企画は、ぼくとゲストが有利だと思ってたんですが、実際の勝ち頭は西原さんだったんです。
勝負強いな~。

●たまには高レートでシビれてみよう。
●普段のレートの2倍ならじゅうぶんシビれます。
●ただし日常化すると破滅する可能性あり。

高レートは 東風戦の店で探す

高レートと言っても、麻雀は他のギャンブルに比べると、動くお金自体はあまり大きくない。
数年前のパチスロには、1日数十万円出る機種があったし、公営ギャンブルなら賭け金(レート)が自由なので上限がないしね。
でも麻雀は、レートを2倍に上げるだけでも、かなりシビれるんです。
では10倍にしたら10倍シビれるかと言うと、もちろんそんなことはありません。
10倍シビれてたら死んでしまいますもんね。
高レートで打つためには、そういう場所を探すか、自分で作るしかありません。

「高レートで打てますか?」

メジャーなフリー雀荘チェーンで聞いてもムダ
高レートを好む人たちは、短い勝負すなわち東風戦を好む人たちとカブっているので、マイナーな東風戦の店のほうが可能性がある。
週末だけ特別卓が立ったりするんです。

●東風の店で。

雀荘で羽振りのようさそうな客を見つけて話しを振ってみるのもいい。
昔だと不動産屋、金貸し、ヒモというのが定番でしたが、今ならデイトレーダーとかIT長者とか、キャバクラのオーナーとかですかね。
良く分かりませんが。

「○○さんくらい遊び慣れてると、高レートで打つこともあるんでしょ」

ギャンブラーは見栄っ張りが多いので、褒められると親切に紹介してくれたりします。

「でかピンでポン」よりもさらに古い話になりますが、ぼくが学生時代に打ってた東風戦の店で、町内会のセット麻雀のグループに入れてもらったことがあります。
意外とレートが高くて、貧乏学生だったぼくに、臨時収入をもたらしてくれました。
当時、高田馬場のその店で、主に中国語を使う別のグループが、1か月に1回くらいの割合で、高レートらしき麻雀を打ってました。
一人は駅前の中華料理屋のご主人で、気になるレートについて聞いてみました。
仲間に潜り込もうという下心があったんですが、笑って教えてくれません。
女性が一人いたんですが、高級コールガールだと噂されてました。

「今日はやられたわ。山ちゃん、こんど一緒に打つ?」

その女性に誘われて一瞬喜んだんですが、レートを聞いただけでギブアップ
やられた金額が、小さなマンション並みだったんです。
中華料理屋のご主人も破産して店は人手に渡ってしまいました。

シビれ過ぎです。

●高レートがレベルが高いとは限らない。チャンス有り。
●金離れが悪いと、仲間に入れてもらえない。
●牌離れが悪いのも嫌われる。サクサク系のギャンブラーが多い。
●人生の時給換算が高い人が多いので、長考も歓迎されない。
●意外と人生の先輩として学ぶことが多かったりする。

高レートを自分で プロデュースする

●自分でのシーン。

月イチくらいの高レートなら、麻雀仲間に声をかけると意外と集まるもんですよ。
みんなシビれたいんです。
雀荘のバラ打ちやマンション麻雀では、他人のプロデュースした賭場の世話になるということ。

「潜り込んで甘い汁を吸おう」

と言う考えは健全なことだと思いますが、実際はそう簡単じゃない。
プロデュースした人は、様ざまなコストとリスクを負担してるので、自分の収益を脅かす者には厳しいのだ。

それだったら、自分で秘密の高レートを立ててしまうのも一法。
それにふさわしい打ち手を集めることができて、腕に自信があれば文句無し。

「博打は出世の早道じゃい!」

になるかもしれません。

ただし、儲かったからと言って、長期間やってしまうと、当局から常習賭博や賭博開帳のに問われてしまう。
それなら運がいいほうで、本職の人たちに「常盆」だと見なされたら、かなり危険な立場に追い込まれてしまいます。

●「それもシビれる」と言うんなら止めませんが。

(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2011年1月15日号)

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/

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