醍醐大、
攻撃的麻雀でつかみ取った
『最高で最強』への挑戦権
【決勝卓】担当記者:東川亮 2021年5月22日(土)
麻雀最強戦、タイトルホルダー頂上決戦。
この大会の原稿を書くのは昨年に引き続き2度目なのだが、いつも思うのは「何というぜいたくな大会なのか」ということ。
各団体の最高タイトルをはじめ、ビッグタイトルを持っている打ち手はどこでだってメインを張れる存在だ。
それを8人集め、1人に絞ろうというのだから。
決勝に残ったのは以下の4人。
最強への道を進めるのは、勝ったものだけだ。
醍醐大。
昨年11月、悲願だった自団体・最高位戦日本プロ麻雀協会の最高タイトル「最高位」を初めて獲得。
A卓をトップ通過し、決勝へと駒を進めた。
自団体の重鎮・近藤誠一ら偉大な先達が歩んだ「最高で最強」への道を、彼も歩むことができるだろうか。
はやる気持ちを抑えきれずか、入場のタイミングを間違えたのはご愛敬。
こちらも悲願だった日本プロ麻雀連盟最強の証「鳳凰位」を今年初めて勝ち取った。
Mリーグ2020では個人MVPに輝くなど、現役最強の一角を担う。
自身こそ最強であることを、一発勝負の舞台でも証明したい。
日本プロ麻雀連盟時代に数々のタイトルを獲得し、多井隆晴らと共に創設したRMUでも一線で活躍を続ける。
2020年には自団体の最高タイトル「令昭位」を圧勝で獲得。
後進に道を作るため、覇王が先陣を切って頂点に挑む。
白鳥翔。
最高位戦日本プロ麻雀協会のビッグタイトル「發王位」を2020年に獲得。
現最強位の多井隆晴とはMリーグ・渋谷ABEMASのチームメートだが、それだけに最高峰の舞台で戦いたい思いは強いはず。
行く手を阻む者は、王者であっても打ち倒すだけだ。
ところで今年、そっくりな姿の人物を最強戦で見た気がするのだが、気のせいだろうか。
東家:醍醐 南家:白鳥 西家:河野 北家:佐々木
東1局、佐々木がドラをポン。
相手3者から見れば否が応でも警戒対象に入るが、このとき佐々木の手に役はない。
普通に進めても間に合わなさそうということで、打点をちらつかせて相手の足を止めつつ手を組み直すという作戦だろう。
だが、そこに親の醍醐がリーチをぶつける。
役なしドラなしカン待ち、満貫が見えている相手がいるだけに怖いところだが、強く踏み込んだ。
さらに河野も追っかけ。
白鳥は醍醐のリーチの前に自風を鳴いてのテンパイを入れていたが、1000点の手で2軒リーチに挟まれた格好に。
そこへ持ってくる。
手を崩せばオリられるが・・・。
白鳥は押して放銃。
アガリは2000だが、醍醐と白鳥の、この対局にかける意気込みが伝わってくる一局だった。
その後流局が2局続いた東2局2本場では親の白鳥がリーチ一発ツモドラで4000オール(+2本場)。
東3局では親の河野がリーチツモタンヤオドラの4000オールを決め、各者が譲らない戦いを繰り広げる。
東4局2本場。
醍醐がわずか2巡目にしてドラを切った。
ピンフ形でまとまりそうな手牌だが、こういうときの役牌のドラはかなり扱いが難しい。
切れば重なったときに激痛、残して重ねれば一気に高打点のチャンスになる上、鳴けば満貫が確定する。
一方で引っ張って重ならない場合、手が進んで切ったときには他者に鳴かれる、あるいはロンされるケースもある。