遅咲きの桜は綺麗に咲く…
岡田紗佳の懸命な打牌は
ファンの心に届いたのか⁉︎
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2020年12月4日
冬も寒くなってきた。こたつに入りながらMリーグを見る、そんな些細なことに日常の喜びを見出すような季節だ。
さてそんな寒さのあおりを受けてからか、サクラの様子がどうもおかしい。
KADOKAWAサクラナイツである。開始時点ではポイントを持っていたものの、ずるずると減らしていき、11月に至っては堀以外ノートップであった。現在のポイントランキングは7位。ここいらでKONAMI麻雀格闘倶楽部のように一気に巻き返しを図りたいところだ。
そんな中、今日の先発に出てきたのは岡田紗佳。
今年は特に攻撃的なシフトにチェンジした印象のある岡田。しかし展開に恵まれず、ここまでポイントは-113.3。
これ以上チームの不調を見過ごすわけにはいかない。最年少Mリーガーが、ここでチームを背負って戦いの場に躍り出た。
第1試合
東家 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
西家 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
【東1局】
起家での登板となった岡田に早速の勝負手が入る。
3巡目にして赤1の役なしドラ待ちペンチャン聴牌。攻撃型だろうが守備型だろうが当然のリーチだろう。
これだけ早いリーチとあっては子方も降りざるを得ない。ツモれるかの勝負だったがここは流局。
続く【東1局1本場】では……
この配牌!なんと豪華であろうか!
すぐにをポンして打。自分しか牌を切っていないのにホンイツ・の5800聴牌だ。
次巡、を引いての選択では……
ツモ切り!カンにすればひっかけ待ちになるが、見た目枚数・の存在・をポンした後の待ちの強さなどを考慮してツモ切りにしたのだろうか。
この選択がすぐに正解!をツモって2000オール!ここまでは他家に麻雀をやらせていない、岡田の一人舞台だ。
さらに【東1局2本場】では……
この桜旋風吹き荒れる配牌!
ツモも好調!2巡目にして急所を引き入れての聴牌。
これでダマで7700、ツモって12000の聴牌。両面の手替わりもあるこの手だが……
岡田の選択はリーチ!
これはかなり意外な選択であった。おそらく多くの人はダマにするのではないだろうか。
この選択、メリットとしては
Ⅰ.早い親リーチで相手を降ろしにいけること
どうせ序盤にあまり出にくい真ん中の待ちなら、ダマの間に他家に自由に打たれてしまう デメリットを避ける。
Ⅱ.打点の向上
この手が跳満、倍満で決まればこの半荘のトップをかなり決めることができる。
この2つがあげられよう。
一方でダマにしておくメリットは
Ⅰ.手替わりを待ちながら上がり抽選の恩恵を受けられる
一手替わりだけでなく二手替わりの両面変化なども見据えながら、中打点の上がり抽選を リーチよりも高い確率で受けられる。
が一番大きい。
瞬間、攻撃的な一打は確かに即リーチである。ただ前年度までの岡田は恐らくこの手を即リーチはしなかったはずだ。
ここには岡田の今年の変化、そしてなによりチーム復調への意気込みがあったのだろう。