西原理恵子 & 山崎一夫 機械相手のギャンブルは 期待値を上げるだけ!?

早い・安い・うまい 牛丼の吉野家がんばれ

一時は業界トップを走っていた、牛丼の吉野家が苦戦しているようで、以前に比べると、ずいぶん店の数が減っているみたいです。

知り合いに、吉野家のライバル店のチェーン本部の大幹部だった人がいるんですが、その人によると、厳しい価格競争が主な原因だとか。

「もっと本質的には、人材の流出が原因です」

長年トップを走って来た会社だけに、優秀な人材はたくさんいるんですが、新しく伸びてるライバル会社に、ヘッド・ハンティングされてしまうんだそうです。

「人材の流出は、ノウハウの流出だけでなく、取り引き先情報や顧客情報まで流出する可能性があります」

業績不振⇒人材流出⇒さらなる業績不振のサイクルに陥るんですね。
その元幹部もあるラーメン・チェーンにヘッド・ハンティングされてるんですが、業績拡大⇒人材確保⇒さらなる業績拡大の、上昇スパイラルが描けそうです。
つまり、競争社会でのライバル関係は、実力の差がさらに加速する傾向にあると。

●勝ち馬に乗れ。

ただし、個人的には、

●勝ち馬なんか分からない。

と考えております。

●信じる馬に賭けるだけ。

勝ち馬が分かるのはゴールした後。すでに乗ることも馬券を買うこともできないのだ。
吉野家の牛丼をいつまでも食べたいぞ。

機械相手のギャンブルは 期待値を上げるだけ

ぼくがパチンコを専門にしていたころ、ぼくの記事で一番大きな影響があったのが

●自力開店プロの奨め。

だと思います。
当時、秘密の地下組織のような開店プロ集団が関東にいくつかありました。

閉鎖的な組織の会員どうしが情報を交換しあい、甘い開店クギを狙って関東一円を移動して打つんです。
それを個人でやれば、台の知識が無くても、クギ読みができなくても、玉スジに自信がなくても、やる気さえあれば、誰でもサラリーマン以上には勝てますよと。

ぼくと「パチンコ必勝ガイド」の末井昭編集長とは、各地でひんぱんに開店プロ団体と鉢合わせをしてました、

「お前らどこの組織だ?」
「今度記事に書いたらタダじゃすまないぞ!」

脅かされたことも少なくありません。

自力開店プロの収益構造は、

●期待値の高い店の(新装開店の)
●期待値の高い日に(新装開店の)
●期待値の高い台を(新台を)

打て、というだけ。

おそらく、記事を読んでセミプロやパチプロになった人たちの勝ち分を合わせると、とんでもない金額になるんじゃないでしょうか。
ちょっと申し訳なく思うのは、パチンコで確実に勝つことを経験することによって、健全な社会生活に戻れなくなった人たちも、いるんじゃないかと。

どうも、すみません。

対人ギャンブルは 敵の能力を破壊せよ

東風戦の2の2・6のフリー雀荘が流行したころの、知り合いの雀ゴロの話を、以前紹介しました。
雀荘に寝泊まりし、痛そうに胃のあたりをかかえながらの全力疾走で、平均月収は四十万円くらい。

月間レースの賞金十五万円を取れないと、収入が激減するので、ライバルの動向を見ながら戦っておりました。
雀荘に寝泊まりしている理由は他にもある。徹マンで弱ってるヤツを狙うため。

疲労と睡眠不足でフラフラになっている客を、睡眠たっぷり頭スッキリな状態でカモるんです。
雀ゴロをやってるくらいだから、元もと実力が差があるんでしょうが、睡眠時間はそのハンデをさらに広げます。

「遅せえよ、タコ!」

打牌速度で相手を煽ってミスを誘うのも常套手段です。

●元の実力に差がある。
●その上、徹マンと睡眠タップリで、発揮でいる能力に開きが出ている。
●さらに打牌速度を強要して、判断ミスを誘発する。

かなりの高確率で、トップとチップをもぎ取っておりました。

「だいぶ負けが込んでるようだな。一気に取り返したいんならサシ馬を受けてやろうか?」

●これが成功すれば完璧ですが、彼はあまり好かれていないようで、ほとんど相手にはしてもらえないようでした。

ある時、彼が月間レースを新顔の客と争った時は凄まじかった。

新顔と直接対決をし、自分が勝つだけでなく、

●ライバルにトップを取らせないように、あからさまにジャマをするんです。

たとえば、ライバルの欲しそうな牌は絶対出さないようにし、他の人は甘い牌を出す。
他の人からはアガらないようにし、ライバルからアガるなど。 結局その月は他の常連客が優勝。

どうやら、新顔は他の店から流れて来た知り合いの雀ゴロだったみたい。
その店で生きて行ける雀ゴロの数は、せいぜい1人なので、新顔を撃退するための戦いだったんですね。

腕の差で撃退したというよりは、新顔にとって、

●うまみがない。
●嫌気がさした。

のが勝因のように見えました。

ちなみに、レートが3の3・9に上がればかなり楽に勝てますが、フリー雀荘ではこれまでほとんど見たことがありません。

原因は主に2つ。お客さんのお金が続かないのと、賭博の疑いが濃厚になってしまうからです。

(文:山崎一夫/イラスト:西原理恵子■初出「近代麻雀」2011年4月1日号)

●西原理恵子公式HP「鳥頭の城」⇒ http://www.toriatama.net/
●山崎一夫のブログ・twitter・Facebook・HPは「麻雀たぬ」共通です。⇒ http://mj-tanu.com/

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