熱論!Mリーグ【Tue】
Mリーグは
ここからが面白いんです!
サクラナイツ沢崎誠の
強さと二面性とは
文・ZERO【火曜担当ライター】2019年12月10日
「まだまだ始まったばかり」
「麻雀で例えるとまだ一段目」
「いくらでも取り返せる」
ついこないだ始まったような気がする今季のレギュラーシーズンも、いつの間にかもう折り返し地点を迎える。
Mリーグはここからが面白い。
昨シーズン、1番盛り上がったのはファイナルではなくて、ファイナルへの生き残りをかけたレギュラーシーズン終盤だったように思う。
残留争いが僅差となった終盤に、ギアを上げた多井隆晴が躍動し、後のない朝倉康心が気迫を全面に押し出して戦い、そして敗れた瀬戸熊直樹の背中は震えていた。
ハッキリ言って、前半は名刺交換みたいなものだ。ここから残り試合数が減っていくにつれ選手たちの打牌にもますます熱がこもり、心揺さぶられるようなシーンや、ドラマが展開されていくだろう。
そう、我々が見たいのは牌や点棒のやりとりではなく、人間ドラマなのだ。
そういう意味で、本日1回戦はドラマを背負った4人が集まった。
ドラマのテーマは「リベンジ」だ。
スポーツでもなんでもそうだが、ファンは負けている人やチームの逆襲に、より熱狂する。
4人のリベンジを見ていこう。
1回戦
北家 近藤誠一(セガサミーフェニックス)
東1局
1回戦は、この人の起家から始まった。
黒沢はトータル-166.9ptであり、直近連続でラスを引いていることもあって、先月21日以来の登場である。瀬戸熊の調子が良いだけに、このままズルズルと負けるわけにはいかない。休養をもらって心身ともにリフレッシュした黒沢の表情はいつもより神妙にみえた。
そんな黒沢の手が止まったのは終盤だ。
上家から出たを鳴くかどうか。
リーチが入っていて、ツモ番はあと2回、鳴けば5800のテンパイ、出ていくのは安全牌。普通は飛びつきたくなるほど嬉しいチーだ。しかし黒沢は長考。そして、渋々、本当に渋々といった表情でチーした。
「んもう。私は3度の飯より6000オールが好きなのよ!」
この局は流局したが、つないだ東1局1本場で…
6000オールが炸裂した。
あのチーしてのテンパイが実った格好だ。そう考えるとあのを鳴かせてしまった…
(牌図はトガシの麻雀X研究所様より引用)
近藤は後悔しているかもしれない。ここで鳴かれないようにを切る手はあったが、そうすると黒沢からリーチが入ったときに共通現物が無くなってしまう。近藤は、黒沢のフーロ率が1桁であることもふまえを合わせたのだろう。
いずれにせよ麻雀は親ゲーだ。
親での一撃がゲームを決める。そのことを熟知しているのが…
「おうワシや。沢崎や。なにやら世間様はワシが強いのか弱いのかで揉めとるらしいのぉ。ワイは定期的にアガリ放棄になったりするが、勝つときはとことんいくでぇ。ワイのトップは人様より1.5倍から2倍くらい大きい。ここんところは負けとるが、すぐに取り返しちゃるわ。ワシの麻雀は理解できないと思うが、麻雀って最後に1番点棒を持っているやつの勝ちじゃろ?」
(なお台詞は全部筆者の想像です)
東2局。
まずは園田のこの判断が面白かった。
ドラはで、何を切る?
ここは園田お得意の早いドラ切りか?!
打。