親の前原、待ちの平和のみをダマテン。
上家と下家の捨て牌を見て欲しい。どうみても萬子が拾えそうだ。
ここに魚谷のアンカンが入りドラが1枚乗った。これならリーチにいってもいいのではないかと思ったがダマ続行である。
わからない…今日の前原は本当にわからない。
本人は
「アガることに意味がある局面なんで、あの局はアガりさえすればトップは自分の手元にやってくるだろうという確信はありましたね」
と後に語る。
確かに、1本場と1本供託がありダマでアガっても決して安い収入とはいえない。ただそれよりも、魚谷の満貫テンパイを蹴ることができたのが大きい。園田からの出アガりになったが、ダマでなければ間違いなく出なかっただろう。
そうは言ってもカン裏つきの親の平和ドラ1テンパイである。普段場に2枚切れの愚形リーチも平気で打つ前原がこのような選択もできるということに、恐ろしく麻雀の深みを感じてしまう。
南2局3本場
上家の石橋のリーチを受けて何を切るか。
やは通っていない。はフリテンだが、安全にイーシャンテンを維持する打しかないだろう。
しかし次のツモは。結果的にはを切っておけば最高のテンパイが組めていた。
だが、無理だろう(笑)
しかしこの表情は明らかに『を切っておけば』と言っている。
からは→と外すから待ちはないと読む?点差があるので仮に打ってもトップは維持できる?
理由を推測するが、どうにもを切るにはしっくりこない。
この前原の考えがわからないという思いと同時に、違った感情を自分の中に抱いていた。
前原は御歳62である。自分がこのくらいの歳になったときに同じように肩を落として麻雀に真剣になっているだろうか、麻雀を楽しんでいるだろうか。
私も相当な麻雀バカだが、今のところ正直自信はない。考えてみれば前原の打牌には前原の麻雀人生が乗っかっている。その半分もおそらく経験していない自分に理解できないのは当たり前なのではないか。
残りツモ1回というところで現物がなくなった。
の筋、石橋の第1打を見て打とするのかと思いきや打としていた。
やはり捨て牌を見てもわからない。
だがは通り、前原はオーラスまでリードを守り切った。
どこを見ているんだ!
何が見えているんだ!前原!
そして性格もお茶目ときたものだから本当に捉えどころがない。この画像だけでも十分ヒーローインタビューが面白いのは伝わると思うが、観ていない方はぜひ観て欲しい。面白いから。
このトップで3位に浮上した麻雀格闘倶楽部だったが、この決めポーズもむなしく連闘した次戦はラスで再び5位に沈んでしまう。
このおじさん、存在自体が面白い。
梶谷悠介
最高位戦日本プ麻雀協会所属。HNツケマイとして天鳳やブログで一時話題となる。去年パパと麻雀プロに同時なった男。最高位とMリーガーを目指して連続昇級中。
◆大和証券Mリーグ2018 7チームが各80試合を行い、上位4チームがプレーオフに進出するリーグ戦。開幕は10月で翌年3月に優勝チームが決定する。優勝賞金は5000万円。ルールは一発・裏ドラあり、赤あり(各種1枚ずつ)。また時間短縮のために、全自動卓による自動配牌が採用される。
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