西原理恵子 & 山崎一夫 バブル時代の勝負師たち!!

バブル時代の
勝負師たち

明けましておめでとうございます。みなさんに、今年のギャンブル運がありますように。

バブル経済と言えば、20数年前の、日本中のが景気が良かったころを指すのが一般的です。
でも実際には、それ以前から、それぞれの業種で、バブルは繰り返し起こっていました。

たとえば、不動産バブルとか、パチンコバブルとか、開業医バブルなどは、実は何回も起こっているんです。

そういう時代やそういう業種に、運良くブチ当たった勝負師たちは、かなりの大金を稼いだと聞きます。
実際私のまわりにも、そういう勝負師たちがたくさんおりました。

たとえば、日本プロ麻雀連盟の副会長であり、金看板でもあった故安藤満プロなども、その一人でした。

安藤さんは、麻雀プロになる前には、不動産業に携わっており、仕事と麻雀の両方で大きく稼いでいたんです。

以下安藤満さんから聞いた、不動産業界でいかにアコギに稼いだかという、エピソードです。

「親方ね、その当時はどんな田舎のどんな土地でも売れたんですよ。田んぼは住宅地に、山奥の崖だって、別荘地に化けたんだから」

 

安藤さんによると、田んぼに土を入れて住宅地として売り出したものの、まだ水道も電気も通っていない状態。

安藤さんたちは、ドラム缶を改造して臨時の給水塔を作り、水道の蛇口をひねると、数分間だけ水が出るようにしたのだ。(アコギ1)

同じように偽物の電信柱を建てて、発電機やバッテリーで送電して、線風機を回したりして誤魔化した。(アコギ2)

「ウチが出した広告には、バス停のすぐ近く、なんて書いてある。でも実際には1キロくらい先なの。ははは」

「それじゃ現地を見ればバレるでしょ」

「だいじょうぶ、お客さんはバスが来ない時間に現地に案内する。その前に、バス停の標識を売り出し現地の前まで移動するんだよ。ははは」

「後でバレるよ」

「最近バス停が移動しました」

アコギですね~。(アコギ3)

 

安藤さんによれば、沼地でさえ住宅地として売れたと言う。

「まずね、沼地に産業廃棄物をぶち込むんです。違法投棄なので、すでにこの時点で産廃業者と不動産業者が儲かる。後は田んぼの時と似たようなもの」
(アコギ4)

こうして、アコギに稼いだ不動産業者たちは、呑む打つ買うの遊びにも大金を使った。
安藤さんのような腕利きの麻雀打ちは、そっち方面でも大きく稼いだのだ。

安藤さんに聞いたワケでは、ありませんが、当時はまだイカサマがある程度通じる時代だったので、もしかしたら安藤さんにも(アコギ5)があったかもしれません。

ミスター麻雀にして、安藤さんのボスにあたる、小島武夫プロは、

「安藤たちと麻雀をやるのは、泥棒とやるようなもんだ。ガハハハッ」

と笑ってたほどですから。

パチンコ業界も
バブルも繰り返す

私が銀玉親方としてホールを駆けまわっていたころも、パチンコバブルでしたが、もっと前にもバブルは何回もありました。

そのひとつが、最初のパチスロの導入とブレイク時期。
ホールはものすごく儲かったので、従業員の給料もかなり高かった。

私は当時高田馬場のホールで学生正社員として働いてましたが、貧乏学生の私が点ピンの麻雀を楽しめるほどの待遇でした。

麻雀の先輩だった店長は、パチスロの仕入先からバックマージンを貰うなどで、裏で大金を手にしていました。

その金は麻雀好きの店長が、従業員にも還元還流させてました。
不正を社長に報告させないための口封じだったかもしれません。

初のパチンコ連チャン機(ドンスペシャルB)登場の時もパチンコバブルでした。
新しい連チャン機が次々と大ヒットし、メーカーもホールも従業員も潤いました。

パチンコ業界にコネのある麻雀打ちも、もちろん潤いました。
話が少しそれますが、私があるネット麻雀で数千回打った記録では、半チャン1回の平均勝ち金額は点ピン換算で四百円ちょっとでした。

仮にこれをデカピンに置き換えると1回あたり四千円。
デカピンの東風戦なら、百万円勝つのに1か月もかからない計算になります。

もちろん計算上のことなので、高レートの場に潜り込むことができなければ、絵に描いたモチにすぎません。

 

話が安藤満プロに戻りますが、安藤満さんは、人に好かれるタイプ(憎まれない?)だったので、高レートにも誘われてバブルの恩恵を受けていたようです。

西原理恵子さんと私の共著「デカピンでぽん!」の最初のゲストは安藤さんだったほどですから、安藤さんと高レートは切り離せません。

賭け麻雀では、10回で1トップ分浮くことが大事ですが、安藤さんの人柄と腕なら、楽に達成できたハズです。

ただし、安藤さんはサービス精神旺盛で遊び好きな人だったので、勝った金で負けた人たちにご馳走したり、様ざまなギャンブルに手を出したりして、現金そのものはあまり貯まらなかったみたい。

レートが高めの雀荘で、安藤さんは卓についてチップを引かれるなり、いきなり「アウト~ッ」(店から借金)と叫んでました。

 

チップ分も無いんかい!

 

バブルの中、安藤満プロのように、高レート勝負に潜り込むコネと好かれる人柄と麻雀の実力がある人は、かなり勝ったんじゃないでしょうか。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/