「勝ち負けだけではなく、麻雀を通して社会貢献できるようなプロを目指したい」
と最後に多井は語った。
このプロ意識は、ABEMASのチームメイト2人のみならず、これからのMリーガーや麻雀プロに脈々と受け継がれていくに違いない。
ABEMAS 3位
そして栄えある初代のチャンピオンになったのは…
ドリブンズだ。
ファイナルの着順が上から(10・8・5・1)と、影も踏ませぬ強さを見せた。
「勝つことが最大のファンサービス」
と語っていたドリブンズとしては、最高のファンサービスを見せることができただろう。
ドリブンズの強さが目立ったように見えるファイナルだが、解説の土田浩翔はこう言っていた。
「敗者が勝者を造る」
名勝負には必ず敗者がいる。
なかなか勝てずにうつむく男がいた。
歯を食いしばって耐えた。
泣き出す打ち手もいた。
それでも仲間同士で支え合い、諦めずに次の配牌を取り、自分の意志を持って牌を打ち出し、戦いを挑んでいく様を我々は見届けた。
この理不尽の塊のようなゲームで私が見たものは、我々と同じように苦しむプロ達の姿だった。だからこそ同じように悲しみ、そして同じように喜べるのかもしれない。
来季はどのような戦い、そして人間ドラマをみせてくれるのだろう。
早くも楽しみである。
(C)AbemaTV
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」