Mリーグ2018
ベストオブ【白鳥翔】
21人のMリーガー名場面集
文・危険な鬼太郎
白鳥翔はなぜ一流プロになれたのか?
現在では麻雀のTV対局はすごく増えた。番組自体も増えたし、生放送で自団体のリーグ戦を配信する団体も増えた。
ここ数年で、麻雀という競技に大きな変化があった。もちろんこれ以前に麻雀の放送はあったが、生放送などではなく、視聴者に見やすい編集などをして放送していたのがほとんどだ。
そんな生放送で自分の麻雀を放送されるのを嫌ったのが、白鳥翔だ。
なにせ自団体には、瀬戸熊、黒沢、前原、藤崎、寿人といった打点が高い打ち手と、個性の塊のようなメンツがいる。
仕掛けて仕掛けて、ようやく千点二千点を必死にアガる自分の麻雀と、マンガンをベースにしている重い麻雀の瀬戸熊、黒沢といった打ち手のほうが視聴者が喜ぶのではないのか?と。
自分の麻雀は今の時代に必要なのか?求められているのか?
模索しながらも、白鳥は生放送の時代に結果を残した。タイトルも獲得し、モンドといったTV対局でも自分の打ち筋を視聴者に見せた。
さらに白鳥はMリーグという大舞台でも活躍しようとしている。
前置きが長くなってしまったが、そんな白鳥の唯一無二の選択を見ていきたいと思う。
ここまでダンラスの白鳥。選択が来る。
手広さだけならばドラのや、切りになりそうだ。しかし、麻雀ハイブリット白鳥は
打。この程度の手牌と場の状況で手牌を決めてしまうのは怖い。まだまだ序盤なので裏目のを引いても立て直せるし、ソウズの下は良い。すべての可能性を残した切りだ。
しかし、2着目村上からのリーチをもらう!
白鳥も村上に追いつくようにドラを重ねてのイーシャンテン!
手牌的には通りやすそうなやを切りたいが、村上に100%通る牌ではない。しかし、ドラ表のは単騎以外ではあたらない牌。
供託泥棒が絞り出した決断とは。
この手牌の生命線はドラのとドラ表に一枚見えている。やを鳴けた場合の単騎では捲り合いにやや分が悪くなる。
ならが速くスジのを若干勝負だ!少しの危険でリターンが大きい。これがスワンの選択。
村上からをポン!一気にアガリへの道筋ができた。少し引いた打の選択をしていたら大変なことになっていた。
そしてドラのをツモ!役役ドラ4の6000オール!トップへと躍り出た!
数々の微差の選択を正解した白鳥。この冴えている選択ができるのならば、トップまで…。とファンは願っていただろう。
しかし、次局の一本場。
村上が七対子ドラドラ聴牌から、待ちを選び、一枚切れの単騎でリーチをかける!
そして親番の白鳥。
絞る意味で一枚切れの当たり牌を残していた。しかし、村上の捨て牌が凄くうまい。変則的な捨て牌に見えず、七対子や字牌待ちには見えない。しかも白鳥の手牌には安全牌はしかない。
これは秒で打かと思われた。
ここで、まさかの一枚しかない現物の打。ここで最悪なのが村上に放銃すること。トップが遠いのでそれが最重要だ。
いかに自分の手牌が、ピンフドラドラのイーシャンテンだろうが、が通りやすかろうが、着順ダウンが最低の場面。ロジカルな選択を見せた。
安全牌が続かずに次順、村上に放銃。一発は回避したのでなんとかマンガンどまりの点数になった。
悪夢はまだ続く。
オーラス。
白鳥の打牌はこの手から打。手広さやタンヤオへの渡りを考えるならば、切るのはしかないが、寿人や村上に鳴かれてこれ以上の連荘や着順ダウンは避けたい。
いたって普通の一打に見えた。
寿人がリーチ!
や、それ以外でも裏ドラが一枚乗れば逆転の手だ。
寿人のリーチ宣言牌を白鳥がチー!