Mリーグ2018
ベストオブ【前原雄大】
21人のMリーガー名場面集
文・masasio
傷跡に触れたい夜がある―
12月11日第2戦
前原雄大、
魚谷へマンガンの放銃。
落ち込む前原。
トップ目からの放銃なのでもちろん痛いことは痛い。
しかし自身の手も・・・
今切られたをチーしてテンパイ。
ドラドラのリャンメン待ち。
南場ならともかく、まだ東場だ。
「しっかり放銃して、しっかりアガる」
が信条の麻雀格闘倶楽部。
これくらいの放銃は日常茶飯事だ。
この時は「前原でも放銃して落ち込むことはあるんだなー」と深く気に留めなかった。
しかし前原が悔いていたのは、この放銃そのものではなかった。
さかのぼって6巡目、今を切ったところだが、
手があたってしまいが1枚転がってしまったのだ。
そしてこの手から少考してを切った。
普通はを切るところだ。
しかしは自分だけが1枚見えてしまっている牌だ。そこで待つのは何とも後味が悪い。
本来ならばここで切られているはずので放銃・・・
さえ転がさなければ・・・
後日前原のツイッターには、牌を見せてしまった自身への不甲斐なさと、謝罪が綴られていた。
もちろん牌を見せてしまうことはよくないことだが、前原が麻雀に対して真摯に取り組んでいるのが伝わってきた。
ファイナルシリーズ3月9日第1試合
ドラドラの手でを加カン。
なんと新ドラが!!!
ん?何か違和感が・・・
なんと嶺上牌を取り忘れて切ってしまった。
ドラ6のチャンス手がアガリ放棄に。
それだけではなく・・・
で親の白鳥に12000を放銃。まただ。
アガリ放棄で放銃・・・競技プロとしてこれほど屈辱的なことはないだろう。
対局後、少牌について謝罪する前原。
麻雀に真摯な前原のことだ、この時の心境は想像に難くない。
自身が放銃したこと、箱ラスを引いてしまったこと、そんなことよりもゲームを壊してしまったこと、チームメイト、対局者、ファンに対して申し訳ない気持ちでいっぱいだっただろう。
あってはならないミスだが、起こってしまったものはしょうがない。
プロならばプレーで見返すしかない。
そのチャンスは意外なほどすぐにやってきた。