東3局
微差トップ目で親番を迎えた黒沢、前巡に切られた2枚目のを見向きもせずスルーして、
引き入れたのはだ。どうする…
ここはを切っていった。をアタマにした345の三色はと高目3つが必要でやや現実味に欠ける。ここはひとまずピンフを確保しつつ、大好きなドラであるを2枚キャッチ出来るようにも構えた。リアリティとセレブリティを兼ね備えた一打だ。
次巡、
を引いて一歩前進。
ここは黒沢を手に置いてを切った。
マンズはのいわゆる二度受け(受けの一部または全部がかぶっていること。
この手牌では待ちと待ちでの受けがかぶっている)で少々テンパイする枚数が少ない。
を持っておくと、を引いたときに、持ってきたマンズをアタマにして、
ソウズの部分をメンツ候補として活かすことが出来る。
例
マンズをアタマに出来たときの方が、現状の手牌よりもテンパイする枚数が多くて優秀なのだ。
は真ん中の牌なので持っておくのがためらわれる方もいらっしゃるかもしれないが、上の画像で場況を確認するとソウズがたくさん切られている。よって自体の危険度も低く、またソウズでメンツを作りやすいと読める状況なのだ。
冷静に場況を判断しつつ、さらなる加点を目指して黒沢は手作りをしているのだった。
「セレブ打法」は決してただの運任せの打法ではない。表情からも汲めるように、黒沢は場況を必死に読みながら、その情報を、自分の運を爆発させるための手作りに活かしているのではないだろうか。
次に引いたのは、
だ。これでさらに打点がアップ。
しかし、ここからなかなかテンパイしない。そうこうしているうちに、
「リーチ」
ドラ表示牌のを引き入れた多井から、渾身のリーチがかかる。
黒沢は追いつけるか…
追いついた!
を切ってリーチ宣言をする黒沢。
「めくり合いに勝ちたい」という思いがひしひしと伝わってくる面持ちだ。
その思いは現実となった。山にいたのは炎のように赤い。