その一牌を鳴くか否か…黒沢の選択、その結末と理由【熱論!Mリーグ】担当記者:東川亮

あるいはそうした細かい計算ではなく「TEAM RAIDEN / 雷電」の麻雀を貫いた結果か。あそこで鳴いて小さな加点を狙うのは雷電の麻雀ではない。それも一つの答えだろう。本人も試合後のインタビューで

「前回もトップが見えたところでオーラスでまくられてしまったというのもあって、今日はオーラスでじたばたするのはやめよう、勝負手をしっかり門前で入れてリーチして、素点を叩きにいくぞという気持ちで打っていました」

と語っていた。ただ、それにしても急所の字牌である。鳴く選択は当然、頭の中にあったはずだ。

選択の理由は、今の時点では分からない。ただ、ここで動いた黒沢とどっしり構えた黒沢、より黒沢らしいのは、そして雷電のファン・サポーターが見たかった姿は、やはり後者なのではないかと思う。

最後にひとつ触れておきたい。黒沢は勝利者インタビューで、台風19号で被災された方々への気遣いを語った。「大和証券Mリーグ」がAbemaTVで多くの人々に視聴されている中、こうした心遣いを公共の場で発信するというのは、本当に素晴らしいことだと思う。ファン・サポーターを思う、彼女の人間性を垣間見た一幕だった。

被災された方々が無事に元の生活を取り戻し、麻雀を、Mリーグを今までのように楽しめるようになることを、筆者も個人的に願っております。その際はぜひ、キンマwebのMリーグ観戦記も一緒にお楽しみください。

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