結果は丸山の一人ノーテンで流局。
大丈夫。丸山はやれることをやった。
南2局4本場
親の瑞原明奈が先制リーチ。
ドラ表示牌待ちだが、打点、巡目、親、点棒状況がリーチに行けと言っている。
待ちは妥協しましょうということだ。
リーチを受けた丸山。
が現物だが、現状ラス目。当然オリる気はないだろう。
10秒・・・
20秒・・・
時が流れていく。
50秒・・・
60秒・・・
1分を過ぎたころ、丸山がおもむろに口を開いた。
「カン!!」
そう。ここはカンするしかない局面だ。
自信の手はくっつきのイーシャンテン。
4枚持っているにくっつくのはフリテンになってしまうためのくっつきの形だ。
解説の瀬戸熊直樹は打を推奨したが冗談じゃない。
なんて通ってもない上に大事なくっつきの可能性を減らしてしまう。
「をカンしてテンパイしたら追っかけリーチ」と構えるのが普通だ。
丸山もそれは分かっていただろう。
を引いてテンパイ!!
さあドラのを切ってリーチだ!!
10秒・・・
20秒・・・
あれ?
30秒・・・
40秒・・・
苦しい。
本当にこの手でドラを切っていいのだろうか・・・
もしドラで放銃したら・・・
そもそもカンしてよかったのだろうか・・・
いったいどうすればいいの!!
親リーチに追いかけるのがこんなに怖いことだとは。
ドラを切るのがこんなにも胸を締め付けるとは。
丸山には今までに経験したことのないプレッシャーがのしかかっている。
でも大丈夫、そんなときはチームメイトのあの男の顔を思い出せばいい。
リーチ超人村上淳の顔を。
答えはもう出ているんだろう?
「リーチ!」
先制リーチを掛けていた瑞原のツモは
目下のライバル、2着目瑞原からの大きなアガリだ。
丸山は2巡の長考の間に迷いは捨て去っていたのだろう。
はっきりした声で点数を申告した。
「12000は13200」