熱論!Mリーグ【Fri】
震える手で掴んだものとは…
最速最強・多井隆晴の壁と
丸山奏子が残した宿題
文・危険な鬼太郎/2019年12月13日
リーグ戦も半分を終え、各チームも足切りが見えてきてソワソワしてきたとは思う。選手個人は何とも思っていないかもしれないが、ファンとしては一戦一戦見るたびに心臓を押さえつけられるような試合が続いている。
その中で、最近好調な渋谷アベマズの多井と、赤坂ドリブンズの丸山の打牌の違いについて見ていきたい。
1回戦
南家 瑞原明奈(UーNEXTパイレーツ)
東1局1本場
丸山の打牌が面白かったので紹介する。
皆さんは丸山のこの手牌、何を切るだろうか?とは聞いたものの、ほとんどの人が切りだと答える気がする。
はドラ表示牌と合わせて2枚。マンズだって場には見えてはいない。めいいっぱい行くべきだ。
しかし丸山はを切った。視聴者の皆さんはどう思ったのかは分からないが、私は丸山は良く場が見えているな…と感じた。
確かに場にソウズは1枚しか切れていない。それが大問題なのだ。ソウズが場に高すぎる。は確かにリャンメンだが弱い待ちだ。
弱いのなら、で補強しつつ、切りでタンヤオに向かうのが手筋だ。
実際、岡田の手牌はコレ。はもう無かったし、も2枚も持たれている。
その後、を仕掛けて千点をアガリ切った。解説の瀬戸熊は「丸山は緊張しているのではないか?」と言ってはいたが、場がハッキリと見えているようなので心配はいらなそうだ。
東2局
親の瑞原がを1巡目から2鳴きをしてテンパイ。
ツモれば文句なしに三暗刻だし、の出アガリでも7700点。申し分ない手牌だ。おまけには一応2鳴きの手格好になっているので、速度は読めないはずだ。
場も序盤が終わり、中盤に入りそうなところで丸山が安全牌のを引いて止まる。
ここでをツモ切るようなら花丸手順とは言えない。
この巡目で一メンツも無いままでこの手牌だと、自分の手牌が一番いいわけがなく、後手を引くことは間違いない。
ここはを切って安全牌のを残して5ブロックにすることによって終盤にを切って粘れる手順を残すべきだ。
他チームは分からないが、他のドリブンズのチームもここでなりを切ってを残しそうだ。
そのゆとりのおかげでが止まった。これを止めることによって瑞原がツモったり、他家が放銃して失点が0になるかもしれない。麻雀はアガることも大事だが、放銃しないことも大事だ。
しかし、絶好の3面張のを引き打、で放銃。
トイトイの7700の放銃。
コメントで甘い放銃だと書かれていた。なんでから打たないのか?と。
結論から言えばこれは切りしか丸山の中ではありえないと言う事だ。まだまだ自分の手牌は進んだとはいえ、不十分。
誰かの攻め返しに備えて安全牌のを備えとして持っておかなければいけない。例えば守備の名手、KONAMI麻雀格闘倶楽部の藤崎智ですらノータイムで放銃する牌だろう。
東2局1本場
ここまでなりを潜めていた最速最強が動き出す。
カンチーから入りホンイツへと渡る。多井の仕掛けは鈴木たろうとは違って信頼度が抜群に高い。
その証拠にこの手牌だってホンイツのターツはもう足りている。だからこそ多井は仕掛ける場合は急所しか鳴かないし、十分系じゃないと鳴かない。打牌の信頼度が高く、大体高い場合が多いので危ない。
たかが、カンをチーしただけなのに誰も鳴かせてくれなかった。だが、多井は自力で全部ツモって、ホンイツの1300-2600を自力でツモった。
みながどれだけ多井を恐れているのか、どれだけ多井というプロを評価しているのか知れた一局だった。
東4局
丸山の押し引きが知れた局になった。
まずは多井が、