大王製紙元社長・井川意高氏から得た教訓 サイバーエージェント社長・藤田晋が著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」で伝えたいこと

大王製紙元社長・井川意高氏から得た教訓 サイバーエージェント社長・藤田晋が著書「仕事が麻雀で麻雀が仕事」で伝えたいこと

「藤田は勝負強い!」

ビジネスの世界でもそう呼び声の高いサイバーエージェント・藤田晋社長による「勝負強さ」を身につけるための実践記が麻雀ファンだけでなく、麻雀を知らないビジネスマンの間でも話題を集めている。キンマWebでは2018年8月に発売された著書

「仕事が麻雀で麻雀が仕事」

の中から、作者・藤田晋氏が特に伝えたい、麻雀を知らない人が、麻雀に興味を持ってもらえるような記事を抜粋して紹介していきます。

 

 

【勝ち過ぎは破滅の入口】

友人で大王製紙元社長の井川意高さん(※)が、ある日私の耳元でこう囁きました。「藤田君、ここだけの話、こないだカジノで7億勝ったんだ」。

それを聞いて一瞬耳を疑いました。いくら井川さんがお金持ちとはいえ、それだけカジノで勝つには、相当荒っぽい賭け方をしないと実現できない額です。海外でいったいどんな賭け方をしたんだろうと疑問が湧くと同時に、私の脳裏を過ったのは、羨ましいとかではなく、(もしかしたら井川さんは破産してしまうかも)でした。結局、井川さんは破産はしなかったものの、100億円超カジノで負けて特別背任の罪に問われることになりました。

株やFXでも破産しやすいのは大勝した経験がある人です。それは何故でしょうか。賭けるレートが膨らみやすいとか、一発逆転を狙うようになるとか理由は色々ありますが、一番の問題は大勝した記憶が頭に残ることだと思います。

相場を長くやっていれば、偶然の幸運が重なって大勝する日もあれば、偶然の不運が重なって大負けする日もあります。それは確率の低い偶然の一日に過ぎないのに、人は大勝した日ほど、何度もそれを思い出し、勝因を分析し、長く記憶に留めてしまいます。そして(あの日のようにやればいい)(あれが自分の勝ちパターン)と思ってしまうのです。しかしながらそんな幸運の日は滅多に訪れず、身持ちを崩してしまいます。

ビジネスマンも、過去の大ヒットにすがるように生きていこうとする人を見かけることがあります。でもそれは若い頃にもの凄く売れたアイドルが、その栄光を忘れられなければ何をやっても落ち目を感じるのと同じです。

麻雀でも、もの凄く勝った日の次に打つ麻雀は負けやすいと思いませんか?それはたまたま幸運続きだった日の打ち方を引きずってしまうからです。勝ってもすぐ忘れられる人はいいですが、(これが自分の勝ちパターン)と思ってしまうと、普通の日でもバランスを崩します。

逆もまた真なりで、麻雀は信じられないほど不運が続いて大負けすることもあります。そんな日もまた偶然に過ぎないのに、必要以上に反省したり、落ち込んだりすれば、自信を失いバランスを崩し、長期スランプに突入しやすいです。

勝ちすぎたり負けすぎたりした時は、軽く振り返ってさっさと忘れるくらいが丁度良いのではないでしょうか。

(※)井川意高さん…この原稿を書いているときは服役中だったがその後2016年12月出所。2017年には麻雀最強戦著名人大会にも出場している。なおギャンブル好きは相変わらずの模様。

※サイバーエージェント社長・藤田晋 著「仕事は麻雀で麻雀は仕事」より抜粋

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