麻雀最強戦2019ファイナル観戦記【決勝卓】ファイナル全局見せます!まさに「最強」にふさわしい、鈴木大介の半荘

それとも近藤か?

ほんのちょっと先の未来に終焉を迎えそうな、手に汗握る熱いめくり合いが続く。

そのリズムが一瞬止まった。

鈴木がどちらにも通っていないを掴む。

よく見るとが4枚ずつ見えている。しかし、近藤の最終手出しはだ…

頭を下げてを切るか…?

1つ息を吸い込む。そして意を決したように…

この程度のリスクを背負えないようではてっぺんは獲れねぇ!

鈴木は運命を自らの手でこじ開けるようにを切った。

親の金子にアガられても、ドラポンの近藤にアガられても、いずれにせよ追いつかれてしまう。その後に勝負しようとしても手が入らないことだってある。それなら、勝負できる手牌が目の前にある今こそ、リスクを負い、相手の勝負手を潰すのだ。

今局、置いてかれる形となった堀の名言にこんなのがある。

「しょうもないように見える自分の手牌も、相手に勝負手が入った途端、勝負手になる」

鈴木は精密な技術だけでなく、勝負どころを見極める目も持っていたのだ。

過去の経験や大局観など、様々な要素から勝負どころを見極めることは、将棋でも同じく大切なことだ。20年以上プロとして対局をこなしている鈴木が

勝負どころを制したのは、もしかしたら必然だったのかもしれない。

鈴木は運命のを引き寄せた。

…最後の親の勝負手を蹴られた金子はこの表情。

あとは打点のあるアガリを目指すしかない。ここから先、やれることは減っていく一方だ。

南2局

親を迎えた鈴木は手を緩めない。

カンのチー。

かなり厳しい手牌だ。

私は、この仕掛けを半分ブラフだと思った。

ドラのを切り、手が整っているとみせかけてから仕掛ける。こうすることによって、周りもこれ以上アガられたらたまらない…と仕掛けを誘発し、結果安手で局が流れればよし…と。

この仕掛によって、周りの動きを制限したが…

堀がタンヤオイーペーコーのテンパイを入れて、切りリーチ!

カン待ちだ。

このに声を掛けたのがなんと鈴木!

でテンパイ。だが、タンヤオ仕掛けなのででしかアガれない。

トップ目にたってなお、ここまでの危険を冒す必要はあるのだろうか?

鈴木は語る

が2枚見えていて打点は限定的

・いざとなったらでオリれる

・一発消しを兼ねる

そして…

ワンチャンアガることができたら、相手の心を折ることができる!

値段は500オールだが、周りのもう勘弁してくれ…という声が聞こえてきそうなアガリ。

優勢なときはその優勢を維持するのが将棋の基本!

さらに鬼神のようだったのは次の局だ。

南2局1本場

上家の金子からリーチが入っているのだが、あの怪しい捨て牌を見てほしい。

あの金子のリーチに対して、ドラもない役もないイーシャンテンで、1枚切れの…と押し続けたのだ。

俺の親は放銃でしか終わらない、とでも言いたそうな恐ろしい押し。

この局は近藤からも勝負のリーチが入るも横移動。

無傷で鈴木の親は流れた。

南3局

厳しいと思われた金子に手が入る。

3巡目にチートイドラドラのテンパイ!

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