西原理恵子 & 山崎一夫 機械相手のギャンブルは稀に攻略法が見つかりゴト師が生まれる!?

機械相手のギャンブルは
たまに攻略法が見つかり
ゴト師が生まれることもある

前回は、むかし私がスロットマシンの攻略法で勝った話をしました。ゲームデザインの設計ミスや、
機械の物理的な欠陥を衝いて勝つ方法です。

仮説⇒実験⇒仮説を繰り返して、再現性のある攻略法に、徐々にブラッシュアップしていきました。
再現性というのは「同じようにやれば、誰がやっても同じ結果になる」という意味です。

「ツキの波に乗って勝つ」「天性の強運を持った勝負師」というのとは違います。

機械相手のギャンブルですからね。つまり本物の攻略法はすでにギャンブルでは無いんです。

「ギャンブラーはギャンブルをしない」

本当かどうかは別として、ある古い音楽映画の中のセリフです。

以下、私が経験や目撃をした、機械相手のギャンブルの攻略法と必勝法のいくつかを紹介しましょう。
私のパチンコ店勤務時代の麻雀仲間に、ゲーセンの各種ゲームが異様に上手い男がいました。

特に小さな鉄球をフリッパーで弾き返して遊ぶピンボールの腕前は素晴らしく、何ポイントも獲得して
いつまでも無料でゲームできるほどの腕でした。

本来はギャンブルマシンではありませんが、彼はキープしたポイントを遊び仲間やお客さんに安く売って小遣い稼ぎをしていたんです。

機械の盲点を衝いた攻略法ではなく、卓越した技術による必勝法ですね。

もっとも彼は機械式のゲームは強いものの、、麻雀で負けるのと、そのころ初めて登場したゲーセンのコンピュータゲームに
お金をつぎ込み過ぎていたので、トータルでは給料の半分以上を失っていたようでした。

インベーダゲームよりも前の、ビデオピンポンやブロック崩しの時代です。

今なら、オンラインゲームで獲得した、アイテムやアバターを売るようなものですかね。

発展途上国のゲームマニアは、これらを先進国のお金持ちのゲームファンに売って、儲かったと聞きます。
一部の優秀な人たちは、将来は海外に出てゲームの開発者やゴト師になったかもしれません。

所得格差や為替格差を利用してる点も素晴らしいです。

私が働いていたパチンコ店には、雀球というパチンコ台型の麻雀ゲームが置いてあり、これで小遣い稼ぎを
しているお客さんもいました。今ならパチプロです。

他にアレンンジボールや、スマートボールのプロやゴト師もいました。

いずれも機械式アナログ式のゲーム機であり、ギャンブルマシンです。
パチンコ店の勤務経験のおかげで、

「ギャンブルでコンスタントに勝っている人は少ない」

「ハウス側が圧倒的に有利」

「少ないデータはあまり意味がない」

「特殊な現象を一般化しない」

「パチプロよりもゴト師が儲かる」

など、それまで少し学んでいた、統計や確率の考え方のいくつかを実感しました。

今では常識になりつつありますが、当時のギャンブルは、もっとツキや運の要素が大事だと
いうのが一般的でした。

私の麻雀の師匠に疑問をぶつけてみました。

「パクさん、ツキとか流れってあるんですか?」

「はぁ?」

何言ってんだって顔をしてました。

かつての麻雀新撰組のひとりの田村光昭プロも聞いてみましたが、似たような反応だったと記憶してます。
麻雀は対人ゲームであり勝負事のせいもあり、当時の日本のギャンブルファンの常識だったんです。

私がちょっと不思議に思ったのは、この時代の麻雀はイカサマが横行しており、物理的な必勝法をマスター
している人でも、運や流れを重要視していた点です。

当時の麻雀打ちは、ほぼ全員が似たような考え方と価値観を共有していたので、そのほうが実際に勝てた
んでしょうね。

次は、特定の機械だけに通じる攻略法よりも、もっと普遍的な必勝法を紹介しましょう。

私が銀玉親方だった時に、タモリ倶楽部という人気番組に、ギャンブラーとして出たことがあります。

流浪の番組と言われるように、あっちこっちでロケをしてますが、
その日は原宿の交差点に面したレストランのテラスで収録がありました。(今はジョナサンかなあ)

「あそこを歩いてるカップルは、もうHしたでしょうか。ハイ賭けてください」

出演はあらかじめカニ缶を10個貰っており、それを任意の数だけ賭けるんです。

先のカップルはカメラの前に連れてこられて、正解を言わされます。エライ迷惑ですよね。
私はいきなり連敗してたんですが、ふと気づきました。

「賭けるのは任意の数なのに、当たればその2倍貰える。当たる確率が2分の1なら、大きく賭けたほど
期待値が上がるのでは?」

次からドーンと賭けたら、逆にパンクしてしまいました。急きょカニ缶を借金。

それからは目論見どおりの展開で、結果的に勝つことができたんです。

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