必ず船長に繋ぐ!
時には果敢に攻め、
時には堅実に守り抜いた
石橋伸洋の熱き全霊
文・渡邊浩史郎【金曜担当ライター】2021年3月12日
ついにレギュラーシーズン敗退二組が決まる。
多くは語るまい。ざっくりと、U-NEXTパイレーツは二戦で1着2着、セガサミーフェニックスはトップ2回がセミファイナル進出の条件。
フェニックスのオーダーは……
魚谷侑未だ。去年の個人MVP。今年はあまりにも運がない展開が続きながらも、要所要所でその強さを見せてきた。フェニックスの命運を託すにふさわしい選手だろう。
パイレーツのオーダーは……
石橋伸洋だ。
思い返すは去年ファイナルシーズンの最終戦。まったく同じチーム組み合わせで、石橋はチーム優勝を決める大きなトップを獲得した。ここぞというところでやる男、キング石橋の出しどころだ。
鳴いても笑ってもこれっきりの最終節が始まる。
3月12日 1回戦
東家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
南家 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
西家 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
【東1局】石橋、襲来
残り最短2局しかない石橋の親番の配牌。ターツこそそろってるがどこも愚形である上にドラが浮いている。
石橋はオタ風の対子落としとした。まだ一巡目、素直にやを切らずに一番形にも打点にも関係ないターツを落とすことで手を作り直そうという魂胆だ。
残したから見事に面子を作り、最速の聴牌!ここは即リーチ!
愚形とは言え他家からはそんなことはわからない。早い親リーチ、立ち向かえるのは……
魚谷のこの手だ!トップ2回が条件のフェニックス、この巡目、この手から降りることはない。
しかしこの手が伸び悩み、聴牌したのは13巡目。しかも出ていくのがの、愚形聴牌。
魚谷は少し息を整えて
リーチといった!最短8局しかないこの勝負、同じ勝負手がこの半荘入るとは限らない。魚谷はいつだって目の前の手牌に真摯だ。
魚谷の心を込めた一打だったが石橋に捕まる。リーチ・赤・裏ドラの7700のアガリだ!
フェニックスからすれば痛恨の、パイレーツからすれば会心のアガリで90日目の幕が上がった。
【東1局1本場】白鳥の造りしもの
このままでは終われないフェニックス魚谷。
まだ攻める牙は残っている。今度はピンフ赤赤、山に5枚残りの待ちで先制リーチにたどり着くが……
なんとこれが全部脇に流れる。麻雀の神様はどこまで今期の魚谷に試練を与えるのか。
続く【東2局】でもまだまだ魚谷の手牌はいい。しかし当然の選択、当然の打牌が……
今一番結果を出したい魚谷に、牙をむく。
がフリテンの聴牌。
魚谷は悩んだ末