若者の勢いとベテランの
老練さが光った一戦、
本田朋広・伊藤優孝が
決勝卓進出
【B卓】担当記者:東川亮 2020年8月2日(日)
この日の麻雀最強戦は「タイトルホルダー頂上決戦」。
各団体のタイトルを獲得した強者が名を連ねる、麻雀最強戦2020の中でも屈指の猛者が集う大会である。
サッカーの世界には「チャンピオンズリーグ」という、各国で行われるリーグやカップ戦の覇者、あるいはそれに類する優秀な成績を残したチームが参加できる国際大会がある。
この日の戦いは、いわば麻雀版チャンピオンズリーグ。
王者たちの戦いを勝ち抜き、ファイナル行きのチケットを手にするのは誰か。
本記事ではB卓の戦いの模様をお届けする
王位
「東海一の押し麻雀」森下剛任
1973年から開催されているタイトル戦「王位戦」で2度目の優勝を果たし、麻雀最強戦に参戦。
2014年には麻雀最強戦ファイナル準優勝、届かなかった1着順を埋めるために動き出す。
麻雀グランプリMAX優勝
「北陸の役満プリンス」本田朋広
2005年に設立、2010年に現行方式となった麻雀グランプリMAXの今年度覇者。
予選では2度の大三元を決めるなど、まさに「牌に愛されている男」が、麻雀最強戦の舞台でさらなる飛躍を目指す。
「RMUの覇王」河野高志
日本プロ麻雀連盟時代には数々のタイトルを獲得、現在所属するRMUでも「令昭位」獲得、「RMUクラウン」連覇などを成し遂げている、団体屈指の強豪。
実績では上位、勢いある若手にキャリアの差を見せつけたい。
十段位
「死神の優」伊藤優孝
齢70にして日本プロ麻雀連盟のビッグタイトル「十段戦」優勝を果たした大ベテラン。
静かに振り下ろされる死神の鎌の餌食になるのは誰か。
東家:河野 南家:伊藤 西家:本田 北家:森下
東1局、いきなり手のぶつかり合いが繰り広げられる。
西家の本田の手に自風のドラがトイツ、いきなりのチャンス手だ。
当然おいそれと出る牌ではないが、親の河野にしてみればダブを暗刻にしてテンパイするなら、ドラ打ちも辞さず。
ツモれば満貫からの勝負リーチに踏み切る。
すかさず本田も鳴いて、全面対決姿勢に。
どちらがアガったとしても、この半荘の行方を大きく左右する真っ向勝負。
山に残るアガリ牌の枚数は3対1で河野優勢だったが、軍配が上がったのは本田だった。
河野のを打ち取り、満貫でリードを奪う。
流局を挟んで東2局1本場、本田は役ありリャンメンテンパイをヤミテン。
待ちのは森下がすぐにツモ切り、1300は1600(+供託1000点)を加点した。
形的にはリーチと行ってもいいところだろうが、リードを持っている現状、リーチによる打点アップよりも局を進めることを優先したということだろう。
東場はジリジリとした展開が続く。
東3局は伊藤が本田から1300を出アガリ。
1枚目のから飛びつきたいところを動かなかった結果、有効牌を引き入れて本田のリーチ宣言牌を捉えた。
東4局は親の森下がわずか3巡で非常に受けが広いイーシャンテンとなるも、これがなんと最後までテンパイせず。