後藤咲の
格闘倶楽部魂(スピリット)
あの日のリベンジに燃えろ
【B卓】担当記者:後藤哲冶 2024年6月2日(日)
『最強の遺伝子』そう銘打たれた今回の最強戦予選は、現役Mリーガーかつ最強戦2023のファイナルに出場したトッププロから推薦を受けた選手達が、ファイナル出場の1枠を賭けて争うことになる。
普段とは違い、選手たちは自分のために麻雀を打つのはもちろんだが、推薦してくれた人の期待も受け取って戦うこととなる。
B卓戦に出場する後藤咲は、Mリーグ参加チームである麻雀格闘倶楽部所属の高宮まりから推薦を受け、出場が決定。
以前最強戦に出ていた時は黒や紺といった寒色系のコーディネートを好む彼女だったが、今日は格闘倶楽部のカラーでもある赤系統のドレスで参戦。
後藤咲は一昨年の2022年8月、「麻雀最強戦女流新世代」という予選に出て以来の、この舞台。
その時は、予選で惜しくも敗退。その時の苦い気持ちは、今も後藤の中に残っているだろう。
格闘倶楽部スピリットも宿して、あの日敗れたリベンジの舞台へと上がる。
東家 阿久津翔太(日本プロ麻雀連盟)
南家 後藤咲(日本プロ麻雀連盟)
西家 渡辺史哉(日本プロ麻雀連盟)
北家 岡本壮平(最高位戦日本プロ麻雀協会)
並々ならぬ精鋭が揃ったこのB卓。
序盤のリードを築いたのは後藤だった。
東3局
南家の岡本が、一打目に切られたから仕掛ける。
この手はメンゼンでは厳しく、仕掛けでの高打点を狙ったポン。
から切り出して、ホンイツかトイトイを見た。
岡本は、所属団体の違う堀慎吾から推薦を受けたことで少し話題になった。
ネット麻雀「天鳳」で二度の天鳳位を獲得している、歴戦の猛者。
そしてこの局、後藤に良い手牌が入っていた。
タンヤオピンフ系にまとまりそうな手牌。まっすぐに進めていく。
10巡目に、岡本が白トイトイのテンパイをいれる。
ツモなら6400の高打点だ。
後藤が絶好の引きで追い付いた……!
なら三色がついてダマでも8000なこともあって、ここはダマテンを選択。
が直前に通ったことも大きい。
生牌のもノータイムでツモ切った後に、を岡本から捉えた!
タンヤオ・ピンフ・三色の8000のアガリ、これで後藤がトップ目に浮上。
東4局
続けざまに、後藤に勝負手が入る。
ドラのを引き入れた瞬間、後藤の指が少し跳ねた。
胸の内の熱が、僅かに漏れ出したか。
勝ちたいという後藤の想いが伝わってくる。
を引き入れて、後藤は切り。
マンズが伸びた時にを雀頭として使うルートが消えるが、河全体を見てもピンズが場に高く、は持ち切れないと判断。
字牌からの切り出しで、全員が真っすぐに進行している気配があったのも安全牌候補の牌を置くことに手伝ったか。
渡辺が切ったを見て、2度3度小さく頷いたのは親番の岡本。
この形でテンパイし、岡本は迷いなくカンリーチを敢行。
が2枚見え且つ、直前の渡辺の手出しが不可解で、スライドが濃厚、とするとはもう1枚持たれていることになるので、当然のカン選択。
後藤の手にドラの……!
これでドラ暗刻、仕掛けてもマンガンが確定した。