オーラスに見た
条件戦の難しさ
徳井健太、接戦をしぶとく
制してファイナルへ
【決勝卓】担当記者:東川亮 2021年8月1日(日)
麻雀最強戦の中でも、著名人戦の雰囲気は独特のものだと思われる。
麻雀プロではない、いわば我々と同じ麻雀愛好家がどのような麻雀を見せるのか。
ときにはプロではできないように思える驚きの闘牌を見せてくれるし、それで結果が出るのも麻雀の面白さであり、結果を出すのが各界で成功を収めた著名人の方々なのではないだろうか。
ある意味で我々麻雀ファンの代表と言ってもいいかもしれない、麻雀を愛する方々の決勝を見届けよう。
小説家・宮内悠介。
昨年は「著名人超頭脳決戦」にて麻雀最強戦に初出場し、決勝で逆転の国士無双を決めて優勝、ファイナルへと進んだ。
かつて麻雀プロ試験を受けたこともあるという打ち手で、A卓では序盤のリードを生かした堅実な戦いでトップを獲得。
2年連続のファイナルへ、どのような筋書きを思い描いているのか。
女優・加賀まりこ。
芸能界の重鎮にして業界屈指の麻雀愛好家として知られ、放送対局に数多く出演、またプロの対局も頻繁に視聴しているとのことだ。
A卓では逆転のチートイツで福本伸行との競り合いを制し、決勝卓へ。
2017年以来のファイナルへ、まりこ様が通る。
芸人・近藤くみこ。
お笑いコンビ・ニッチェのツッコミとして活躍し、最近は放送対局にも出演。
麻雀最強戦は初出場ながら、予選B卓では終盤のアガリで接戦をトップで勝ち抜いた。
決勝卓でも堂々のツッコミで優勝を決めるか。
芸人・徳井健太。
平成ノブシコブシのツッコミであると共に、芸能界でも名うての打ち手として知られ、2014年には麻雀最強戦初出場でファイナルに出場した経験を持つ。
B卓では、アガリはオーラスの2600一度だけという渋い勝ち上がり方を見せた。
決勝では破天荒な麻雀で2度目のファイナル出場を勝ち取る。
東1局、先制パンチを決めたのは近藤。
3巡目に宮内から出たはポンしてテンパイが取れる牌だったが、これをスルーすると手が横に伸び、トイツに手をかける。
狙い通りにピンフドラ1の先制リーチを打つと、加賀のを捉えて出アガリ。
3打目のが読みを狂わす打ち筋に裏ドラも応え、1枚乗って満貫に。
近藤が華麗な手順でまずはリードを作った。
その後は加賀がリーチツモの500-1000、宮内が仕掛けて2000、徳井が仕掛けて1000と小さいアガリが続き、各者が1回ずつアガって東場は終了。
近藤がトップで、戦いは南場に突入した。
女性陣2人がリーチ、男性陣2人が仕掛けでアガっているのも対照的だ。
南1局、テンパイ一番乗りは近藤、役なしテンパイをダマテンとする。
やドラ周りなど、より魅力的な形になる牌を引いて進めようという狙いか。
だが、手が変わる前に徳井に切りリーチを打たれる。
役がないのでアガれず、近藤としてはあまり気分はよくないだろう。
近藤は下手に粘ろうとせず、あっさりと中抜きを選んだ。
ここはタンヤオドラドラのテンパイが入った加賀のを徳井が捉え、裏が1枚乗って5200のアガリ、これで近藤をかわしてトップに立った。
だが南2局はこれまで門前での進行が多かった近藤がを仕掛けて500-1000を軽くアガリ、ライバル徳井の親を蹴った上に再逆転。
打点こそ安いが、状況に応じた麻雀を打てるところを見せつける。
だが、徳井もこのままでは終わらない。
南3局、加賀のリーチに対して粘ってテンパイを取りきると、次局は自風を鳴いての速攻で2000は2300を加賀から出アガリ、再度トップに。
これで加賀は三倍満をツモか徳井からの直撃条件、宮内もハネ満ツモ条件と逆転が厳しくなった。