やっほーい! 儂じゃよー! 今日も元気に3000・6000! 麻雀歴1000年の鴉天狗、千羽黒乃が今週もキンマwebに参上じゃ!
前回のコラムでは「3副露」についてお話したのじゃ。
ポンやチーを3回した「3副露」は、退路を断った攻めの構え。
リーチを受けてもオリたり回ったりすることができないため、高い打点か待ちの良さ、いずれかを満たすときだけにすべし! とお伝えしたのじゃ。
前回:VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第57回】 「3副露」は用法・容量を守るのじゃ!
今週は活動3周年を迎えるとともに、新衣装を発表したのじゃ!
新たな衣装は和風の喫茶店をイメージしたメイドさん風!
一層可愛くなった姿、ぜひぜひ見に来てほしいのじゃ~!
先制されたら全部オリる?
さぁ、いい手が入った! …と思ったところに、早いリーチ!?
麻雀を打っていると、よくあることじゃ。
一発目にツモってきたのは無筋のじゃ。
リーチをかけたのは南家、リーチの現物はがあるとして、このを押すのと、でオリるのと、はたしてどちらが得なのかのう?
確かに押し引きの基本は「自分が聴牌ならば押し・そうでなければオリ」じゃ。
関連記事:VTuber千羽黒乃の麻雀講座【第6回】守備の基本は「引き」にあり! 0から分かる「押し引き」入門じゃ!
じゃが、ときには聴牌していなくとも押すべき場面もある!
というわけで、今回のテーマは「シャンテン押し」じゃ。
「シャンテン押し」ってどういう意味?
自分がまだ聴牌していないのに、リーチに対して押すことじゃ。
まだ聴牌しておらず、「あと1枚来れば聴牌!」という状態を「一向聴(イーシャンテン)」と呼ぶのはご存知かのう? 同様に「あと2枚来れば聴牌!」なら「二向聴(リャンシャンテン)」じゃ。
そして、「一向聴」の状態からリーチに押し返せば「一向聴押し」、「二向聴」の状態から押せば「二向聴押し」となり、これらを総称して、聴牌していない状態から押すことを「シャンテン押し」と呼ぶのじゃ!
実際にはリャンシャンテンから押すことはほとんどないため、「シャンテン押し」≒「リーチに対して一向聴から押すこと」という認識でバッチグーじゃ!
シャンテン押しは悪いこと?
麻雀を深く知るようになり、戦術を学び始めると、最初に「ベタオリ」について覚える方も多いはずじゃ。確かにベタオリはとーーーっても重要な技術!
大事なことなので繰り返しになるのじゃが、押し引きの基本は「自分が聴牌ならば押し・そうでなければオリ」じゃ。しかぁーし! ここぞの場面で「シャンテン押し」を使えるようになれば、お主の攻撃力はさらにアップすること間違いなしじゃ!
ではでは、冒頭でヒヨコくんが悩んでいた問題に戻って、こちらの牌姿じゃ。
東1局 西家4巡目 ドラ
ツモ
飛び上がって喜びたいくらいの好形イーシャンテンじゃが、子から先制リーチを受けており、現物はのみという状態。なまじベタオリを覚えてしまうと、こうしたチャンス手からでも放銃を恐れてしまい、無筋を押せなくなってしまいがちじゃ。
それはもちろん学習の成果ではあるのじゃが、今日はさらに一歩踏み込んで「一向聴からでも押すべき牌がある」と覚えてほしいのじゃ。
ずばり、この場面で切るべき牌は無筋ののツモ切りじゃ!
なぜなら、この手が超好形の一向聴だからじゃ!
具体的には
・受け入れが広いため、すぐに聴牌する確率が高い!
・好形聴牌が確定しているため、めくり合いでも勝ちやすい!
・5200点以上の打点が確保されているため、押したときのリターンが大きい!
この
「受け入れ枚数」・「最終的な待ちが好形」・「リーチ+2翻以上の高打点」
3つを満たすチャンス手のときには、イーシャンテンからでも無筋を押してゆくのが、一歩踏み込んだ押し引き判断、「イーシャンテン押し」なのじゃ!
一見良い手に見えるけど…
「チャンス手なら押していいんだ!」よーし、満貫あったら全部押そう! と思ったのじゃ?
いかぁーん! 危ない危ないのじゃ!
4週間目の牛乳と同じくらい危ないのじゃ!
東1局 西家4巡目 ドラ
ツモ
チャンタ三色まで見える美しいイーシャンテン!
…だったところにリーチを受け、一発目にツモってきたのは無筋のじゃ。安全牌はとがあるとして、このを押すかオリるか、どっちが良いのかのう?
ここはすぱっと現物の、ないしのトイツ落としでしっかりとオリるのがオススメなのじゃ!
なぜなら、さきほど示した通り、イーシャンテン押しの基準は「受け入れ枚数」・「最終的な待ちが好形」・「リーチ+2翻以上の高打点」の3つじゃ。この手は打点こそ満たしているものの、それ以外の2つを満たしていないため、オリが有効なのじゃ!
まず、この手が聴牌する「受け入れ枚数」は、ととの3枚だけ。さきほどよりも非常に聴牌しずらい形じゃ。
つまりを押し、運良く通ったとしても、すぐに次の巡目に聴牌する可能性がとっても低い! を押すリスクに、ツモが応えてくれる保証がないのじゃ!
具体的にこの手から押すとなると、かかを引いてくるまで延々と危険牌のツモ切りを繰り返すことになってしまう! そう考えるとこの形からシャンテン押しをする危険度がイメージしやすいはずじゃ。
そして、自分の手の形が悪い(愚形ターツを含むイーシャンテンから押す)ということは、「聴牌しても、愚形で追っかけリーチをする・めくり合いに臨むことになる可能性が高い」のじゃ!
勝負手ならば愚形でもめくり合い上等とはいえ、イーシャンテン押しをする場合は勝算の高いリーチが見込めるときだけにしたいものじゃ。
そのため、「勝負手は押し」ではあるものの、「愚形の残ったイーシャンテンなら、押しは控えめに。愚形2つならば満貫あってもオリ!」というのがシャンテン押しの基本となるのじゃ!
【今回のまとめじゃ!】
・オリすぎ注意! 勝負手ならば「シャンテン押し」!
・シャンテン押しの基準は「受け入れ枚数」・「最終的な待ちが好形」・「リーチ+2翻以上の高打点」の3つ。これらを全て満たせば、オリずに戦うのじゃ!
・高打点でも愚形残りのイーシャンテン押しはかなり危険! 押し過ぎも要注意じゃ!