貪欲に攻めた2回のアガリ!
ABEMAS・松本吉弘の
比類なき切れ味
文・ZERO【火曜担当ライター】2021年12月7日
Mリーグを観戦しながら飲むホットココアに幸せを感じる季節になった。
レギュラーシーズン90試合中37試合目。登山で言うと4合目くらいなるだろうか。
明暗が分かれつつある中盤戦に、各チーム旬の打ち手が集結した。
個人ランキング3位、そして前日が誕生日という滝沢に対し、他の3名は前回のトップ者である。今夜もバチバチの殴り合いが期待できるのではなかろうか。
電光石火の倍満
まだホットココアが冷めぬ中「それ」は起こった。
まずは北家・松本の配牌を見て欲しい。↓
ドラと赤があるものの、まとまりづらそうな配牌だが、これが数巡後に
見違えるような進化を遂げる。
そして今ツモってきたで何を切るかだが、普通はを切る場面ではなかろうか。
のポンでマンガンのテンパイを入れられるのは偉いし、を先に切っておくことで将来的なペン待ちへの布石にもなる。
しかし、松本が選んだのは…
ど真ん中のとドラのは出現率の低い牌だし、ペンは場況が良いとはいえ(全員がマンズ上を切っている)ペンチャンであることに変わりはない。
1・2枚切られたところで途端に苦しくなってしまう。
それならばとにリャンメン変化の余地を残したのだ。
この時、松本は対面の黒沢の捨て牌に速度感を感じていたという。
だから
ここらへんでを先に処理しておくべきか? という誘惑に駆られる。
しかし松本は強くを切った。不確定な情報よりも、自分の手牌を最大限広げたのだ。
この選択にツモが応える。
そしてマンガン確定のこのテンパイを淀みなく…
を残したことによりオリに回らされたり、放銃するケースだってあるかもしれない。
でもその分はリーチによる打点上昇でカバーできる。
リャンメンなら…
これが残しの真骨頂!
リーチ・一発・ツモ・・ドラドラ・赤・裏の40008000だ!
を切ってを残し、さらに淀みなくリーチを打つ。
手牌を最大限伸ばしきった松本が、まずはこの半荘の主導権を握ったのだった。
黒沢の憂鬱
黒沢の表情は曇っていた。