熾烈を極めるボーダー争い
鈴木たろうの選択は
赤坂ドリブンズ浮上の
きっかけになるか
文・江嵜晋之介【火曜担当ライター】2022年2月8日
残り20試合を切り、いよいよ佳境に差し掛かったレギュラーシーズン。
1試合ごとの順位変動が気になってくる時期だが、今シーズンは7位以上のポイント差が大きくないため、例年より順位変動が多くなっている。
トップラスで100ポイント程度差を縮めることができるルールであるため、現在首位のパイレーツでさえ安全圏とは言えない。
1戦目では今期不調だった村上淳の大トップによって、ドリブンズはプラス域目前まで浮上。
5位との差は93.9ポイントと1試合で入れ替わるところまでたどり着くことに成功し、ボーダー争いは熾烈を極める展開となった。
接戦になるほど、1つの選択がその後の展開に及ぼす影響はより大きくなる。
2試合目に登板したのは鈴木たろう。
直近3着が続いいたたろうだが、村上に続きなんとしてもトップを勝ち取り、チームをプラス域に導きたいところだ。
第2回戦
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
2試合目、試合が大きく動いたのは東2局2本場だった。
7巡目、親番の松本は七対子のテンパイを入れる。
赤を引いたことでドラの中単騎ならダマテンでも12,000点の勝負手。リーチをかけて強引に6,000オールを引きにいく手もあるが、ここはダマテンに構え他家からこぼれるのを待つ。
同巡、西家茅森の手牌がこちら。
タンピン高目一盃口のイーシャンテン。
前巡に安全牌の発をツモ切ってまでを残したところにを引いてきたところ。
雀頭がなく、が3枚見えていたためやや不満な形だったがこれでの不満の無いイーシャンテンに。
茅森は打を選択する。
テンパイになる受け入れ枚数が一番多いのはもちろん。
しかし二盃口を逃さない超高打点思考の一打を見せる。
次巡を引きさらに盤石に。
同じく8巡目、たろうの手牌。
345の三色が見えるがカンチャンが残っておりやや苦しい。
たろうはカンを固定する打を選択。
場にピンズが切られておらずカンの場況が良くない、かつの場況が良いためを頭にしてターツの振替を狙う。
仮に345になったときも先にを切っておけばの出アガリ率も上がりそうだ。
次巡、たろうはを引き打。さらに次巡引きでテンパイする。
ただ元から自信のなかったカン待ちになってしまったため、テンパイとらずの切りを選択する。
そして次巡、引きてきたのは。
ツモ ドラ打牌の候補はかだが、この選択は非常に難しい。
マンズをの両面と捉えればが頭になりやすい打が優れているが、場況が良いと思っていたが直前に切られ3枚見えになってしまった。
を頭と捉えてピンズのくっつきテンパイと見ればが既に2枚見えている分の方が優秀で打となるが、を切っているためフリテンになる可能性がある…。
たろうは小考の結果、打を選択する。
改めて考えても優劣がつけ難い微差の選択であるように思えたが、この選択が結果に大きく影響することになる。
直後、を引き入れた茅森が待ちでリーチ。