(写真左から)石田進矢チーム担当、佐々木寿人、伊達朱里紗、高宮まり、滝沢和典
滝沢 レギュラーシーズンは割と調子が良くて、なんとなく順調に来ているなという感じでした。ファイナルには進出したいと思っていて、それは達成できたのですが、ファイナル1戦目の入り方がよくなかったなと思っています。具体的な手牌もバシッと覚えているくらいで、その2局連続でなんとなくよくないな、という空気にしちゃって、そこでラスになってリズムを崩してしまった感じがしました。
麻雀自体はKONAMI麻雀格闘倶楽部のチームカラーに引っ張られるのかなと思いましたけど、それほど変わっていなかったです。最終日に連勝できて、形だけの連勝ですけど、サポーターの方にも喜んでいただけたみたいで、終わり方としては一応良かったのかなと思います。
高宮 ファイナルに来られたのはチームのおかげですし、紙一重というか、そういうところがチーム全体で多かったのがすごく悔しいですけど、ファイナルで戦えたことは、チームとチームメート、応援してくださった皆様のおかげだと思うので、感謝したいと思います。
ファイナルで、前原(雄大)さんがわざわざ足を運んでくださって、その日にトップを取れたことはすごくうれしかったです。思い出深い1日になりました。
伊達 個人的なデビューイヤーとしては本当にできすぎなくらい、起こっている出来事も良かったと思いました。チームメートにも恵まれましたし、試合の結果にもすごく恵まれた部分があります。ただそれもだんだん繰り返していく中で、Mリーグという舞台の大きさや怖さ、応援してくださる方も多い分、一つの打牌で失望させてしまったりもするので、一打一打気を引き締めて向き合わなきゃいけないと思いました。
まだみなさんが伊達朱里紗という打ち手を値踏みしている、どんな打ち手なんだろうと思っている段階で選択がいい結果になる試合が先にきたのは、本当にただ恵まれていたと思います。それこそいっぱいラスも引いていますし、それが最初に来ていたら評価的なものも変わったと思うので、ただただ最初にそういういい試合が来たのは、恵まれていると感じていました。
寿人 開幕式のときに今期の目標として「卓上を焼き尽くすような麻雀を打ちたい」と言いましたが、それが何回できたのかと思います。ただ、そのときに同時に「滝沢・伊達に注目してください」とも言って、これだけ活躍してもらって、だからこそレギュラーシーズンを通過できたと思うので、二人には本当に感謝したいと思います。
去年の数字を越えられるだけのものを出していきたいと、個人の目標を最初にいろいろ立てていました。たとえば、アガリ率やラス回避率など。高宮も300勝つと言っていましたけど、我々二人に関しては、その目標が達成できなかったのが、後悔が残るかなと思います。ただ、最低限の目標であるファイナルに進めたことは良かったと思います。
石田 今年は2人の新しい選手に入っていただいて、正直、我々チーム側もどうなるのか、あまり想像できていませんでした。ドラフト会議で信頼を経て指名させていただいて、きちんと話をして加入していただきました。我々のチームはどちらかというとサポートしながら、ファンみたいな感じで見ているところもあり、信じて一緒にシーズンを戦っていくことはできたと思っています。我々は他のチームよりも比較的、出場機会が平均的なチームだと思います。それは信頼して指名して入っていただいている選手だからこそ、それぞれの活躍の場があってしかるべきという考えの元にやってきているので、この1年は信頼関係をずっと持ったまま過ごせたことが、一つ大きな収穫でした。
ファイナルの4位という結果は、麻雀という競技、12試合で実力が出るか出ないかです。それを追い求めてやっている選手たちを本当にリスペクトはしていますけど、我々も少し、よくない要求をしてしまったところがありました。5戦目くらいから少しトップが欲しくなってしまって、そういう話をしている中で、少しみなさんに普段の選択よりも無理のある戦い方をさせてしまったかな、というのが大きな反省点です。
-寿人選手と滝沢選手は昨年まで違うチームにいて、今年から「タキヒサ」がチームメートになって、ファンも盛り上がったと思うが。
滝沢 さっき「感謝している」というのを聞いて、それを知らなかったので(笑)、いい気分になっています。
寿人 あまり言いたくはないですけどね(笑)。この二人がいなければ、たぶんレギュラーシーズンも通過できなかったと思うので、そこは認めざるを得ないと思います。
-翌シーズンの意気込みは。
寿人 彼は僕より上に行くという目標で今年戦って、それを達成したわけです。かなり悔しいので、今度は逆に僕が彼の上に行けるように、特に今年はマイナスだったので、また昨年のような成績を出せるように頑張りたいと思います。
滝沢 僕は最初はよかったんですけど、勝負どころでよろしくなかったので、そこが課題です。
-今シーズン心掛けていたことは。
寿人 自分が最年長になったのもありますし、昨年の成績もあったので、しっかり引っ張っていかないといけないという思いはあったんですけど、何にせよ調子があまり上がらず、負担をかけてしまったところがあるので、来期はしっかりそれを取り戻していきたいです。
(文中敬称略)
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さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。