それは天からの贈り物ではなく
ABEMASの意思である
日向藍子、伝説の12000オール
文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2022年 11月 1日
次の文章がなんなのか分かるだろうか?
確かなことは 全ての選択肢も時間も
この時と引き換えて来た
積み重ねが今誘う
伴う傷 厭わず 恐れを木っ端みじん
ピンときたあなたはMリーグマニアである。
これは、エンディングに流れるかっちょえぇ歌「ナノ・セカンド」の歌詞なのだ。
ナノ・セカンドとは10億分の1秒を表す時間の単位。
一瞬の選択のために研鑽を積み、傷つくことを恐れずに踏み込んでいく麻雀打ちにピッタリの歌詞ではないか。
第1試合
東家:村上淳(赤坂ドリブンズ)
南家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
実況:小林未沙
解説:河野直也
瀬戸熊の変化
「ポン」
その声に我が耳を疑った。
ここから役牌のをポンして待ちのテンパイにとったのだ。
・村上(下家)が二巡目のドラのを切っていて速度感がある
・開局に1300・2600をアガった内川の親を流したい
などの理由もあり、どちらかというと鳴く打ち手のほうが多いのかもしれない…が、このポンの声の主が…
瀬戸熊だったから驚いたのだ。
その幻想のままで終わっていっていいわけないだろう
これもナノ・セカンドの歌詞だが、幻想の門前テンパイよりも現実の2000点を取りにいったのか。いずれにせよ昨年までの瀬戸熊ならスルーしていたはずである。
見立て通りすぐに村上からリーチが入り、さらに親の内川までもが追っかけリーチが入る中…
瀬戸熊のアガリが間一髪間に合った。
2人のリーチを蹴ったことを考えると非常に価値の高いアガリである。
瀬戸熊も、手応え十分だったのではないか。
そして事件は起こった
親番の日向は…
ドラが暗刻のチャンス手を迎えていた。
をツモってイーシャンテン。かを切る場面だが…
じっと場を見つめる日向が切ったのは
だった。
手牌だけで言ったらを切るべきだが、このときが3枚切れていたのでツモによる受けが微妙。一方を切ってを残すと、ツモによる待ちが筋になる上に…