熱論!Mリーグ【Tue】
鈴木たろうの肩にのしかかる
何かが見えた12秒間
そして変わろうともがき
続ける戦士たち
文・ZERO【火曜担当ライター】2020年2月4日
新型コロナウイルスの話題が世間を賑わしている。
雀荘は、狭い空間で不特定多数の人間と関わる場所なだけに、風邪やインフルエンザなどをうつされてしまった経験を持つ人はとても多いと思う。
手洗い・うがい・マスクといった基本的な予防の他に、普段から睡眠や栄養をしっかりとり、免疫力を高めていくことがなにより大切だろう。
Mリーガーでは、渋谷ABEMASの多井隆晴が最近体調を崩しがちで、多忙極まりない人だけにとても心配だ。そんなABEMASの1戦目は…
1戦目
先週、記事に取り上げた松本吉弘が登場。
崖っぷちのドリブンズと風林火山、そして雷電もエース級の選手が出てきて、注目の好カードとなった。
私がとても気になったのが
東4局
松本のこの切りだ。
親の瀬戸熊からリーチが入っていて、は安全牌。
松本の思考としてはこうだろう。
「もうどうせを切ることはないし、リーチを打つことも(役牌)を仕掛けることもなさそうだ。それなら他家の攻撃が来る前に安全牌を抱えてを先に切ろう」
しかし私はオリるのが一手早いように感じた。
理由としては、まず安全牌は豊富なので、オリようと思えばいつでもオリれること。
そして目下のライバルである瀬戸熊の親リーは、脅威であると同時に、かわす価値もとても高いということだ。
イーシャンテンを維持している間になどが通っていくこともあるし、通らなくてもが入るようならたとえリーチのみでもを切って向かっていく価値はあると思う。
松本は親番で僥倖の6000オールをツモり、トップ目に立った。私はトップ目に立った打ち手の、その後の立ち回りに注目することが多い。隙あらばリスクをとって相手の手をかわしたり、二の矢を狙う打ち手はやはり強いし、逆に過剰に守備を意識してしまう打ち手は危ういなって思ってしまう。
今夜の松本は後者だった。
印象的だったのは次の局だ。
東2局。
松本は
役無しのテンパイが入り、これをダマテンに構えた。
一転してこれは松本の思考がよくわかる。
ポイントはまたしても瀬戸熊だ。
親の瀬戸熊は派手な切り出しで、→というカンチャンを払った後にダブをポン。
そして字牌を2枚余らせてきた。
マンズのホンイツが本線で、ドラが。
12000で済めば安い方で、18000と言われてしまうケースも結構ある。
また、ここでリーチを打つと、リーチと親の仕掛けに挟まれた園田と勝又は守勢に回らざるを得ず、瀬戸熊との1on1になる可能性が非常に高い。
園田と勝又の河を見ると手は早そうに見えるし、瀬戸熊の仕掛けにマンズを先に処理して反撃の態勢を整えているようにも見える。
簡単に言うと
「賢ちゃん、勝っちゃん!俺は邪魔しないから、みんなでクマーの親を落とそうぜ!俺も、うっかりツモったらアガるからさ!」
という作戦である。
これはとてもクレバーな判断だと思う。
ただ、それでも私ならリーチを打ってしまいそうだが、勇気なのか無謀なのかは難しいところだ。
解説の小林剛もトップ目だからリーチしないと言っていたので、無謀寄りなんだろうなとは思う。
さて終盤に差し掛かったところで松本は
を持ってきてテンパイを崩した。瀬戸熊はマンズを余らせており、うっかり18000放銃しました!じゃ済まされない状況だ。ここで回るためのダマテンだったと言えよう。
しかしそのを叩きつけて瀬戸熊に斬り込む男がいた。