麻雀の実力に速さは
関係あるのか
今期最速半荘に考える
打牌速度の意味
文・ZERO/沖中祐也【火曜担当ライター】2022年 11月 22日
松本吉弘の証言
松本「寿人さん、いつも言ってくるんですよ。今日はこの4人で最速記録を目指そうぜって。その術中にはハマりませんよ。」
たしかに寿人の打牌は速い。
あそこまで速いビートを刻まれると、焦ってこちらのリズムが崩れる… なんてことはあるのかもしれない。
しかし、麻雀は何を切るか、何を鳴くかに集約されているゲームである。本来ならば速度なんてものは関係ない。その証拠… というほどでもないが、牌譜に「選択にかかった時間」は記されていない。
第1試合
(売出し中のうちわに書かれているイラスト)
東家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
西家:二階堂瑠美(EX風林火山)
北家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
実は本日の1回戦も寿人がいる影響か、1.3倍速かな?というくらいの速度で局が進行していった。
今回はいつもと趣向を変えて、「打牌速度が麻雀に与える影響」というテーマでこの電撃戦を見ていく。
0:00 東1局
瑠美の配牌。
瑠美はこの配牌から、さほど迷わずに対子のを切った。
ドラターツ()は触らないとすると、他に切る牌がない。
たとえば打としてしまうと、他の部分で縦重なり… 特にドラのが重なったときにロスとなってしまう。
例
(この時にがあった方がいい)
打は5ブロック進行のお手本のような選択だが、座って最初の選択でを切るのを見ると「卓に乗れているな」と感じるし、同卓者としても迷わずにの対子落としされるのを見て「めっちゃ手が良さそうだな」と感じるのではないか。
この局は瑠美の5ブロックダッシュが実らず
寿人がわずか6巡で1000点のアガリ。のみキックだ。
は2枚目だしドラもないので、今回は鳴く一手なのだが、高速の対子落としを見せることによって相手がかわし手を入れやすくなる、という効果はあるのかもしれない。
3:09 東2局
この局は岡田と本田の3フーロ対決となった。
役牌をポンしている岡田がを掴んだ。
役牌ドラドラの3900の両面テンパイだけに押すしかないように見えるが、このは相当に危険である。全体図を見てもらいたい。
(本田はチー→打 チー→打)
下家の親・本田の仕掛けに注目すると、ソウズ・ピンズ・ソウズと仕掛けており、どう見ても待ちはマンズ。
ドラがであることを考えると、その周辺で(タンヤオ・三色・ドラ・赤)の12000と言われてしまうことは多々ありそうだ。
さらに言うと、本田の最終手出しはをチーした時に切った。
からの切りなんて、本線中の本線に見える。
ロンと言われたら大抵12000…
しかし岡田はほんの一瞬ためらった後に