7連続ラスを引くも視界良好
気高きゴリラ、瑞原明奈の
新たな船出
文・ZERO / 沖中祐也【火曜担当ライター】2024年4月9日
松ヶ瀬隆弥は攻めあぐねていた。
レギュラーシーズン終盤、泥土を這うような不調から回復の兆しを見えたところでポストシーズン初戦に起用された松ヶ瀬は燃えていた。
東1局の親番で寿人の先制リーチに対し
ドラドラ保有の追っかけリーチを打つも、めくり合いに負けて2600の放銃。
迎えた東2局では
この世のドラを全てかき集めたような大チャンスを手にしたが、日向に500オールでキックされてしまう。
松ヶ瀬の燃えるような攻めは実らなかった。
他の3人にもそれぞれ事情というものがある。
ああ、セミファイナルが始まったのだ。
西家:佐々木寿人
KONAMI麻雀格闘倶楽部
5位 +23.5pt
北家:瑞原明奈
U-NEXTパイレーツ
1位 +433.3pt
佐々木寿人は守備型である。
「攻めダルマ」の異名を持つ寿人だが、押し引きがハッキリとしているだけで、特にこの2年位はかなりスリムに構えている印象。
もはや守備型に分類してもよいくらいだと私は思っている。
東2局1本場、
チートイツのイーシャンテンにもとれる場面でを打った寿人。
タンヤオへ移行したのかと見ていると
すぐにメンツを崩してベタオリしはじめた。
瑞原(下家)がドラ表示牌のを切っておりテンパイ濃厚。
安いと分かれば放銃してもいいが、ドラのを固めていたりトイトイだったりの高打点の可能性は否定できない。
実際の瑞原の手牌はこちら。
待ちの1000点だった。
ポンしているをツモってきて少考。
加カンのスイートスポットは2000~3900の手である。
仮に新ドラが1枚乗るとして
2000点→5200点
3900点→8000点
と中打点以上になるのに対し、1000点の手牌はドラが1枚乗ったところで2600点になるだけで安手であることには変わりない。
門前3人に対しドラを増やしてしまうリスクのほうが大きいと言えるのだ。
しかし瑞原は
・終盤に差し掛かっていて反撃を食らうリスクが限定的であること
・大当たりの新ドラ表示牌(ドラが3枚以上乗ると)がありそうなこと