今年のドラフトが始まる前。
神域リーグファンにとっては、悲しいニュースが2つほど舞い込んだ。
それは、昨年アキレスの一員として戦っていた、白雪レイド、或世イヌの出場辞退。
初年度から大いに神域リーグを盛り上げた白雪レイド。
そしてチームで散々な扱いを受けながらも、めきめきと成長していった或世イヌ。
どちらも、神域リーグでずっと見ていたいVtuberだったのは間違いなく、このニュースに肩を落としたファンも多いだろう。
そして、このニュースがあった時に、やはり話題になったのが。
『渋谷ハル』は出てくれるのか?
ということだった。
白雪、或世と同じ事務所所属であり(立場は少し違うが)昨年のチームメイトでもあった渋谷。
であればこそ、渋谷も出場を辞退してしまうのではないかと危惧するファンは、少なからずいた。
しかし、渋谷ハルは神域リーグに出ることを選んでくれた。
個人的に、昨年を見ていても1,2を争うほどに好きな麻雀を打っていたので、今年も見る事ができるのは本当に嬉しい。
去る者もいれば、残る者もいる。
今いる選手達への感謝を忘れずに、今日も試合を見て行きたいと思う。
第3節 第2試合
東家 渋谷ハル (チームゼウス)
南家 風見くく (チームアトラス)
西家 因幡はねる(チームグラディウス)
北家 ゴモリー (チームアキレス)
東1局から早速、渋谷が魅せてくれる。
ここでを引き入れて、渋谷が選んだのは……
。リャンメンという良い形を破壊する恰好だが、これは素晴らしい一打。
現状赤が2枚とドラが1枚あって、使い切れば12000が確定。
であれば、ソーズの357はどちらも赤を使い切る受け入れなので減らせない。
の部分はを引けば嬉しいが、を引くとタンヤオが消え、仕掛けができなくなってしまう。
なので、は実質受け入れにはなっていないという気分で、を払っていく。
「が出たらチーして打って……もチーしていいかもなこれ払えるね」
実はこの少し前から、渋谷は『鳴く牌』を考えていた。
これが他の選手にはまだできていない人も多い、渋谷の長所だ。
あらかじめどこを鳴くかをイメージし、残った形の優劣を判断できる。
そして渋谷は、とここからツモ切り。
これも目立たないがそうとう良い打牌だ。
と払う予定だったが、やは手に残さず、重なればタンヤオになるの重なりはギリギリまで見る。
が重なったら、を切ってイーシャンテンに構えられるからだ。
これは仕掛けを得意とする昨年のチームメイト、白雪レイドも得意とした打ち方。
8巡目に安全牌のを引いてきて、ここでと入れ替え。
特に全員が役牌から切ってきていて、普通のメンツ手の進行。そろそろいつリーチが飛んできてもおかしくないとして、を引っ張るのを諦めた。
ここも素晴らしい切り返し。
を引き入れてイーシャンテンになっていた渋谷が、上家のゴモリーから出たをチー。
これで12000のテンパイ……になるはずだった。
が、このをポンしたのはグラディウスの因幡くすねる、ではなくはねる。
ドラのを2枚使ってタンヤオでのアガリを目指す。が薄いということもあって、良いポンの発進だ。
「だるいて~!」
困ったのは渋谷だ。
が無くなったまま、風見からのリーチを受けてしまう。
親番で12000がくっきりと見えているこの手を、そう簡単にオリたくはない。
そうして打ち出したが、風見のリーチに捕まった。
裏ドラを1枚乗せて8000のアガリ。風見もイーペーコードラ1のこの手を、しっかりとリーチに踏み込んで来た。
ここは風見に軍配。