その押し、“勇敢”か“無謀”か――　チームを救いたい。#日向藍子 決死のプッシュ【Mリーグ2024-25観戦記 10/21 第1試合】担当記者 #後藤哲冶

その押し、
“勇敢”か“無謀”か――
チームを救いたい。
日向藍子決死のプッシュ

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2024年10月21日

渋谷ABEMASの現状は芳しくない。

スタートダッシュにこれだけ苦しんでいるABEMASを見るのは初めてだ。
チーム全員がポイントマイナス。チームのマイナスはもう少しで300に差し掛かろうかというところ。
いくら序盤戦とはいえ、これ以上のマイナスは軽視できない。

本日の第１試合に出場するのは日向藍子。
喉から手が出るほど欲しい１勝を、持ち帰ることができるか。

１０月２１日　第１試合

東家　鈴木大介　（BEASTX）
南家　瀬戸熊直樹（TEAM 雷電）
西家　日向藍子　（渋谷ABEMAS）
北家　瑞原明奈　（U-NEXT Pirates）

東１局

開局直後、日向に良い手牌が入った。
を引き入れてタンヤオピンフのイーシャンテン。

日向は切りを選んだ。
ダブドラでない場合のであれば受け入れを減らさない切りが良いだろうが、この場面では赤はダブドラ。
をロスする形にはなり、アガリ率も下がるとは思うが、後のタンヤオ変化と打点を考えた時にこの切りは良い選択。

次巡持ってきたをツモ切り。
これは難しい。を持ってきた時にのリャンメンを使えるのはメリットだが、その場合何を切っても瞬間の受け入れを減らす選択になる。
候補としてはだが、を切った時はの４枚損だ。
日向は瞬間テンパイする枚数を一番多くする打牌を選択。

先制リーチは瀬戸熊から。
ドラのを引き入れてのリーチだ。

この宣言牌をチーしたのが日向だった。
宣言牌のスジは危険だが、が３枚見えていることで、２４６のような形が出にくくなっている。
前巡の手出しはあるので危険度は確かにあるが、ここはタンヤオ赤ドラの3900で勝負へ。

は１枚しかなかったが、見事にツモアガリ。
1000、2000のツモでまずは先制に成功。

残しが功を奏した。
まずは一安心、といった表情。

東３局

東３局に３件リーチを制した瑞原が一歩前に出る。
逆に、テンパイからを押した大介が一歩後退。

南１局

日向の手に好配牌。
やを切って字牌を残していたのはこのホンイツ移行のため。
を切って両面ターツを壊し、ホンイツへと向かう。

一手進んだ日向から切られたにチーの声をかけたのは瑞原。
、と鳴いてあっという間のテンパイ。
待ちの2000点。なんとこれが山に８枚まるっと全て残っていた。
現状トップ目の瑞原としては、局を消化できるだけでも非常に大きな意味を持つ。