完全なる眠り姫の半荘
文・坪川義昭【金曜担当ライター】2024年11月1日
第1試合
東家:日向藍子(渋谷ABEMAS)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
『伊達朱里紗』とは『麻雀』そのものである。
SNSでは、もう見慣れた光景ですね。
とにかく圧倒的な強さで、負ける姿が想像できません。
未だかつて麻雀プロの歴史の中で、そんな風に語られたプロってどれだけいたのでしょうか?
私がプロ麻雀界を知ってからは2004〜2006年頃に当時、日本プロ麻雀連盟で鳳凰位と十段位を同時に戴冠していたMリーグ公式解説者の土田浩翔プロくらいじゃないでしょうか?
確かにその頃の土田プロの存在は、なんというか『人間を超えてしまった存在』として世間に認知されていて、あの人に勝てる人類は今後出てくるのだろうか?と思われていました。
そんな土田プロに憧れて巷の雀士達は必死に筋トイツを重ねて一喜一憂していたわけですが、多分に漏れず私もその一人です。
20年振りに現れた『負ける姿が想像できない麻雀プロ』伊達朱里紗プロですが、前回登板で珍しくラスを引いています。
試合を見返してミスをいくつか発見し、それが悔しくて夜眠れなかったそうです。
麻雀に対しての熱量もハンパねぇ!!
東2局1本場
親番の仲林プロがリャンシャンテンでをアンカンしました。
リャンシャンテンとはいえ、新ドラによっては仕掛け判断も変わってくるので早めにカンをしておきたいところです。
先手を取ったのは意外や意外、日向プロです。
待ち取りに関しては、甲乙付け難いですね。
伊達プロの切りとの存在でこっちに傾いたという感じでしょうか。
同巡に松ヶ瀬プロから追っかけリーチが入ります。
ノータイムでリーチとしなかったのは、が1枚とが3枚切られてしまっていてシャンポン待ちと枚数が同じだからということでしょう。
シャンポンにするならヤミテンという選択も出てきますし、リャンメンにしても少し弱い待ちに見えますよね。
とはいえ残り1枚のは山でしょうしリャンメンリーチといきました。
日向プロが一発目に引いたドラのをチーしてテンパイを入れたのが仲林プロです。
2軒リーチが入っているので、メンゼンリーチに拘っている場合ではありません。
この待ちが一番強そうですね。
珍しい4軒テンパイとなりました。
勝利を確信するようなリーチです。を離すタイミングもバッチリで灼熱の捲り合いが始まりました。
すぐに仲林プロがをつかんで伊達プロのアガリとなりました。
裏ドラは乗らずとも一発で8000点です。
東4局
ここから『完全なる伊達の半荘』が始まります。
が3枚切れていたこともあり、ピンズは勿論ソーズも仕掛けようとしていたところに望外のテンパイが入りました。
こうなればリーチです。
オヤの松ヶ瀬プロが躱そうと仕掛けを入れます。