熱論!Mリーグ【Sta】
ウィークエンドMリーグ!
園田賢の闘牌、
小林未沙の解説、
松本圭世の…Mリーグを
10倍楽しく観る方法
文・東川亮/2019年10月26日
ウィークエンドMリーグ!
ウィークエンドMリーグ!
10月26日土曜日、8チームがしのぎを削る麻雀のプロリーグ「大和証券Mリーグ」はレギュラーシーズンで初めての週末開催となった。
通常、毎週「月・火・木・金」の19時から2試合が行われるMリーグだが、今シーズンは10月~2月に月1回ずつ、土曜もしくは日曜に試合が組まれている。
平日に週4日、1日2試合が組まれているとはいえ、土日しか休みがなく、仕事などの終わりが遅いために、なかなかリアルタイムでのMリーグ観戦ができない方というのもいらっしゃるかと思う。また、週末の夕暮れ、AbemaTVのチャンネルを回していて、たまたまMリーグの試合を見た、という方もいるだろう。
週末開催は、多くの方にMリーグを知っていただく上での素晴らしい取り組みだと思うし、だからこそできればもう少し、週末開催について多くの方に認識していただければと思う。
と言うわけで、筆者が金曜日の夜に思いついた言葉が冒頭の「ウィークエンドMリーグ」。まあ、サッカー・J1リーグの金曜開催時に使われる「フライデーナイトJリーグ」にインスパイアされた言葉なんですが・・・試しに使ってみませんか?
第1回戦
南家:茅森早香(セガサミーフェニックス)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
Mリーグレギュラーシーズン週末開催。その初戦は、サラリーマンMリーガーである園田と、美人雀士3人の対決という構図になった。世のおじさま方にとっては夢のような卓かもしれないが、美しいバラにはトゲがある。美人雀士はいずれも、タイプは違えど実力十分・実績抜群の打ち手ばかり。
今回はこの4者の試合を通じて、普段麻雀対局をあまり見ない方、週末に何となくMリーグを見た、という方に向けて、麻雀やMリーグの魅力、そして「Mリーグ観戦ポイント」をお伝えしていきたい。
Mリーグ観戦ポイントその1
「プロの打ち筋や選択・判断」
園田は東1局、この形のピンフテンパイをダマ。次巡にツモ切りリーチをして1300-2600をツモアガった。
一方で東2局、この形では即リーチを打ち、程なくツモって1000-2000。
こうしたリーチ判断は人によって分かれるところだと思うが、なぜプロがそうしたのか、を見ていくと、麻雀の勉強になるのではないかと思う。
局は進み、茅森が園田から5200は5500を出アガリした後の南2局。さらなる追い上げを狙う茅森にこんな牌姿が訪れる。とを鳴くのはもちろん、チャンタやホンイツ、チートイツといった手役も見える形。
ここから茅森は1枚目のをスルーし、直後に打たれたをポン。この辺りの判断というのは、人によって分かれるところだろう。筆者であれば、おそらく1枚目のからポンすると思う。
このように、自分ならどうするのか、というところを照らし合わせつつ、最終的な結果を追って見ていくというのも、麻雀観戦の面白さの一つだ。もちろん、シンプルに卓内の動きを追っていく、というのも面白いことには変わりない。
Mリーグ観戦ポイントその2
「プロの実況・解説」
卓の状況を追い、把握していく中で、心強いのが実況・解説だ。Mリーグでは、3名の麻雀に明るい実況担当と、現役Mリーガーやレジェント麻雀プロがコンビを組んで中継をしている。
この日の実況は、声優であり元プロ雀士である小林未沙さん。解説はKONAMI 麻雀格闘倶楽部の藤崎智選手だった。
小林さんはこの日も落ち着いたトーンで聞きやすく分かりやすい実況をしていくと共に、状況に応じて解説の藤崎選手に話を振り、同じフィールドで戦う選手の思考を引き出す。
藤崎選手の解説も、聞けば納得してひざを打つものばかり。たとえば、先ほどの一巡回しツモ切りリーチや鳴きの選択についても、現役選手ならではの思考を聞くことができた。この実況、解説によって、より麻雀の深みに触れることができる、と言っても過言ではないだろう。
残る2人の実況担当である松嶋桃さん、今年加わった男性実況の日吉辰哉さんはいずれも現役のプロ雀士。実況の方にもそれぞれ個性があるので、そこを感じていただくのも試合日ごとのポイントの一つだ。(日吉さんの噛みっぷりとか・・・)
また、試合日ごとに変わる解説者にもそれぞれに個性や独自の切り口があるので、ぜひ注目していただきたい。
ちなみに実況陣は、タンヤオやピンフ、テンパイといった、麻雀用語の解説についても細かくフォローを入れてくれる。普段はあまり麻雀を見ないであろうライトなファンへの気配りを忘れないところは、とても素晴らしい点だと思う。
Mリーグ観戦ポイントその3
「アガリに向かう選手たちの競り合い」
さて、麻雀の華といえば、やはりアガリに向かう選手同士のバチバチとしたやり合いである。南2局1本場、親番の茅森が巧みな鳴きからタンヤオドラドラ、待ちテンパイを入れた。アガればトップ目に立つ上、高めのなら満貫で一気にリードを広げられるという大事な局面だ。