ウィークエンドMリーグ！園田賢の闘牌、小林未沙の解説、松本圭世の…Mリーグを10倍楽しく観る方法【熱論！Mリーグ】担当記者：東川亮

しかし園田も、茅森の待ち牌の片方であるカン待ちでリーチをかける。同じアガリ牌を2人で引き合う、手に汗握る展開だ。どちらが勝つかで、戦況は大きく変わる。

を巡るめくり合いを制したのは園田。打点こそ700-1300と安いが、茅森の大きなアガリを潰す価値あるツモだ。

ただ、茅森もこれでは終わらない。次の南3局、ドラドラ赤の形から、さらに後付けのを鳴き、満貫確定の待ちテンパイを組む。

ここで踏み込んできたのが、これまでなかなか手が入らなかった黒沢。三色赤ドラでリーチ、ツモればハネ満確定、一気にトップへと突き抜ける大物手だ。今度は茅森と黒沢がバチバチとしためくり合いを繰り広げる。

Mリーグでは、こうした競り合いが各試合で繰り広げられる。どちらがアガるか分からない・・・手に汗握るスリリングな展開は、見ていてシンプルに面白いものだ。

ここでは茅森が勝利。最後の最後でアガリ牌のをツモり、2000-4000で園田を逆転して試合はオーラスへと進む。

Mリーグ観戦ポイントその4

「オーラスの展開」

麻雀観戦で熱が入るポイントとして、オーラスは外せないだろう。今回のオーラス、茅森と園田の点差は2900点。逆転を狙いたい園田だが・・・。

園田の配牌。ドラがあるが、アガリまでは非常に遠い、非常に苦しい形だ。ここで園田は役牌を重ねることに照準を合わせ、場風の、自風の、三元牌のを残して手を進める。

逆転の可能性を追った園田にツモが呼応する。に加えて狙っていた役牌の、さらにまで引いて、逆転まで見える形になった。

園田は首尾良くを鳴くことができ、のテンパイ。最後は茅森が打ったを捉えて3900、園田が再逆転で自身の今シーズン初トップを獲得した。

オーラスでは点棒状況などにより、さまざまな思惑が絡み合った選択が行われる。特に、チーム戦であるMリーグは、自身だけでなくチームにも責任を負った選択を迫られることから、選択も非常に慎重になる。それらが織りなす打牌、そして結末を見ていくのは、麻雀観戦の醍醐味と言えるだろう。

Mリーグ観戦ポイントその5

「勝利者インタビュー」

Mリーグでは、試合終了後に勝利者インタビューが行われる。そこでインタビュアーを務めるのが、「今、Mリーガーが最も会いたい女性」と言われている、フリーアナウンサーの松本圭世さん。自身も麻雀好きでおなじみであり、インタビューでは試合のことからこぼれ話まで、さまざまな角度から勝利者の魅力を引き出す。また、選手も試合中の打牌選択をはじめ、いろいろなことを話してくれるので、ここで選手の新たな魅力に触れる、ということも多いと思う。

 

「ぶっ込み」などと称される踏み込んだ質問、ユニークな質問もあるので、試合後もチャンネルを変えず、勝利者インタビューやその後のハイライトまでご覧いただきたい。

「あなたの心に、カンチャンずっぽし！」

よいしょー！（勢いで入れた合いの手）

今回は実際の試合に照らし合わせる形で観戦ポイントを紹介してきたが、他にもMリーグの見所はたくさんある。この日の第2回戦ではなんと、麻雀の華「役満」が飛び出した。

 

決めたのは、TEAM RAIDEN / 雷電の瀬戸熊直樹。意思のこもった選択が呼び込んだ、Mリーグ初の四暗刻だ。

Mリーグにおいて何度か役満が出たことはあるが、四暗刻が出たのは2シーズン目にして初めてである。こればっかりは狙って出せるものではないのだが、それがMリーグ初めての週末開催「ウィークエンドMリーグ」に飛び出すとは・・・。

きっと、何となくMリーグを視聴していたという方でも、このシーンには釘付けになったことだろう。中には、この役満をきっかけに麻雀への熱が湧いてきた、なんていう人もいるかもしれない。引きとしては抜群だ。

ありがとう、瀬戸熊選手。

ありがとう、麻雀の神様。

なお、第2回戦の詳しい様子は、この日もう一人の観戦記者である「危険な鬼太郎」さんの観戦記をご覧ください。
鈴木たろうの戦略的な見逃しから生まれた…瀬戸熊直樹、渾身のMリーグ初「四暗刻」【熱論！Mリーグ】担当記者：危険な鬼太郎 

Mリーグ観戦ポイントおまけ

「キンマweb観戦記」

かくいうこの記事自体がそうなのだが、キンマwebではMリーグの試合日の翌日午前中には、各日2名の観戦記者による観戦記がアップされる。各記者独自の切り口によって書かれた記事は、どれも読みやすくて面白いものばかり。試合を観戦した翌日は、ぜひ観戦記で余韻にひたりつつ、試合を振り返っていただければと思います。