Mリーグ・クエスト
──そして未来へ──
文・小林正和【金曜担当ライター】2024年11月15日
“この熱狂を外へ”をスローガンに2018年からスタートしたMリーグ。
三年目(2020-2021)では、コロナ禍の影響を受けながらも
一度宿った炎を絶やす事なく、白熱した試合を続け
五年目(2022-2023)の節目では、少年の涙を添えながらの悲願達成に多くのファンが熱狂した。
そして迎えた七年目の2024-2025シーズン。
彼女たちの階段を上る姿は確実に未来を照らし、新たな高みへと導いていく。
11月15日は“七五三”の日。
未来を育む子供達と共に、成長を重ねるMリーグはその歩みを止める事はしない。
さて今日は一体どんな世界が待っているのだろうか。
おや、見えてきたのは… あれは選ばれし者だけ戦う事のできるMリーグ王国。伝説の称号を手に入れるため今宵も4人の勇者達が集い、戦いの準備を整えていた。
第2試合
東家:浅井堂岐(セガサミーフェニックス)
南家:仲林圭(U-NEXT Pirates)
西家:松本吉弘(渋谷ABEMAS)
北家:堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
プロローグ──冒険の序章・仲間達との集い──
浜松町のスタジオは、まるで冒険の拠点「ルイーダの酒場」ならぬ「仲林の酒場」となっていた。というのも、第二試合目の対戦メンバーは仲林の一声で集められたパーティだったのである。
◆登場人物
・ケイ(仲林圭)
・シンゴ(堀慎吾)
・ヨシヒロ(松本吉弘)
・タカキ(浅井堂岐)
お気づきになった人もいるかもしれないが、四者にはある共通点が隠されていた。
それは全員「日本プロ麻雀協会所属」という点である。
今現在9チーム・36名のMリーガーの内、そこに在籍するのは5名。(残りの1名は渋川難波)
そして、レギュラーシーズン96試合の中で協会員同士が唯一揃う可能性があったのが本日の組み合わせであった。
更に補足すると、協会が通常採用している競技ルールは一発・裏ドラ有り25,000持ち30,000返し・順位点10─30。つまり、Mリーグの赤牌なしバージョンである。
要するに、普段から一番近いルールで凌ぎ合ってる強者達による注目カードという事。仲林の粋な計らいによる、コアなファンの中では胸熱すぎる光景であった。
それでは皆さん準備は宜しいでしょうか!?
一緒に激戦必至となった冒険の旅に出かけてみましょう!
第一章──現雀王・仲林が創り出す幻想──
まず大きく動いたのは、東風の大地である開局の東1局
西家・ヨシヒロのもとに4枚目のがやってきた!
この14枚の手牌、受け入れ枚数が一番多い選択肢は
① ツモ切り
② アンカン
どちらも同じ枚数マンズからでテンパイ(9種26枚)だが…
選んだのは…
まるで“武闘家”のように手の内4枚を素早く右に移動させるアンカン、一撃必殺“せいけんづき”である。
確かにピンフや一気通貫の手役は消えてしまうが、どちらも入り方次第では確定しない。また、見た目26枚の有効牌の内、嬉しいやが最大で7枚程度。つまりドラ無しリーチのみの可能性の方が高いのならば、一層の事カンドラや裏ドラ・リンシャン牌などの恩恵を受けた方が良いという判断だろう。
多少のリスクと引き換えに、己の素手一本で立ち向かっていく“らしい”選択であった。
ところが、カンドラもリンシャン牌も空振りに終わると、これ見よがしにヒッソリと忍んでいた者が動き出す。その人物とは…
協会の最高峰タイトル・現雀王であるケイであった。
新ドラというお宝が2枚舞い込んできたこちらの牌姿。