魔神:渋川難波に
立ち向かう者たち。
19局に飛び交った26本の剣。
文・渡邉浩史郎【月曜担当ライター】2025年10月6日

第2試合
東家:永井孝典(EX風林火山)
南家:逢川恵夢(EARTH JETS)
西家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:渡辺太(赤坂ドリブンズ)

本日二戦目、いきなりの三軒リーチから始まったこの試合。

「まっすぐ攻める」という言葉が似合う4人が揃った。
波乱の幕開けを告げるような滑り出し。

続く【東2局】も先制した永井と親の逢川の二軒リーチの捲り合いに。
枚数差を覆した逢川の2000オールが炸裂すると……

またしても立直直後の枚数差を覆し、こんどは渋川と永井の捲り合いを渋川が制す。
この3局で既に7本のリーチ棒が飛び交った。
【東3局】、

親の渋川がカンでリーチを敢行。
もちろん渋川もこの待ちが優秀とは思っていない。
この巡目のこの親番で、相手に最大限プレッシャーをかけて降りてもらうためのリーチだ。

ここに追いついた太の選択が面白い。変則三面張でリーチではなく、七対子の単騎でリーチに踏み切った。

まず太の手で大事なのは変則三面張の待ち牌の精査。
と言えば待ちが複数枚あるように聞こえるが、実際は自身で6枚使っていてドラ表示牌で1枚見え。12-7の5枚残りの待ちでしかない。
おまけにその待ちは全員の手に組み込まれていそうな河をしている。
打点があるため、リーチに行けないこともないといった印象だろう。
次に七対子として見たときに大事なことは何か。
ダマテンの七対子を経由した後に、七対子のいい待ち変化があるかどうかの精査であろう。
今回河を見るとすべての字牌が既に二枚以上見えており、出和了り出来そうな優秀な待ち変化はなかなかない。
では現時点の単騎の評価はどうだろうか?
自身の目から三枚をブロックしており、また渋川の
・逢川の
でソウズの下ブロックの複合系がある程度消されている。この河に対する待ちとして山に残っている牌を考えると、そこそこ優秀(マシともいう)という評価が下せそうだ。
さらに七対子にするならば切りで瞬間の放銃回避ができる。
これらすべての要素が組み合わさった結果、太はリーチに踏み切った。踏み切ったのだが……

結果だけがあまりにも痛恨。

たかが3900といえど、和了か放銃かの差はまさに天地。

続いた親番で渋川が爆発。聴牌連荘2局を挟んでたまった供託3本をさらに回収するこの和了り。
【東3局4本場】、

さらに畳みかけるこのリーチ!

子供たちをひれ伏せさせるには十分。まさに「鬼の難波」が出てきたが、今日の子供たちは一味違う。

逢川が聴牌を入れている中、永井も追いつく。
待ちのは
が渋川の現物だが
が逢川にポンされている。
最早真っ直ぐを切って、逢川の1000点に放銃するのが一番の結末にまで思える状況であったが……

三河の猛将は新たな道を切り開く。打で、リーチまで踏み切った。
リーチ前の渋川の手出しがのため、マンズ下は絶対に持たれているものの、放銃となる形はかなり限定的。
とダマテンで並べる手はあったが、ここは強気にリーチと踏み切った。