「麻雀の教科書」
滝沢和典がほどこした
アガリへのスパイス
文・ゆうせー【火曜暫定ライター】2025年11月18日
日本プロ麻雀連盟、滝沢和典。
Mリーグ創設時は、EX風林火山でプレーしていた。
チーム優勝を果たしたあと、風林火山を退団。次の年度にあたる2021-22シーズンから、KONAMI麻雀格闘倶楽部に所属。
そして今季からは、選手兼監督というポジションを任されている。
そのKONAMI麻雀格闘倶楽部は、
滝沢も、
トップを量産し、チームの支えとなっている。
さて、そんな滝沢の麻雀は、「まるで教科書のようだ」と評されることが多い。
フォームが美しいのと相まって「綺麗な麻雀」という印象がある一方で、その打ち筋をつぶさに見ると、決して「基本に沿った選択」ばかりではない。
「教科書」「お手本」と聞くと、平面的な牌の組み合わせ重視、昔で言うと「デジタル」な麻雀だ、という印象を覚える方も、いらっしゃるかもしれない。
だが、滝沢はどちらかと言えば、場に出ている情報を使い、時として強めのアレンジを加える「場況重視」の打ち手である、というのが私の考えだ。
この試合でも、そんな「場況スパイス」の効いた選択が飛び出した。
第1試合
東家:滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:内川幸太郎(EX風林火山)
西家:鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)
北家:逢川恵夢(EARTH JETS)
東2局。6巡目に、
滝沢の手は、この形になった、
立体図は、
このようになっている。
滝沢は、
を切った。
時系列順に紹介したので、繋がりが悪くて申し訳ないが、これは場況ではなく、どちらかと言うと「枚数」重視の選択である。
を切ったときに、テンパイを逃す「裏目」は、
–
の4枚。
ドラそばであることを考えても、枚数的なロスを考えても、嫌うに値するブロックだ。
を打ったあとで
を引いてきたら、そこで
を打てばいい。
一方で、
を打った場合には、ソウズに関して
3枚と
が4枚の計7枚が「裏目」となる。
それだけではなく、
を打つと、
このマンズ引きのテンパイも逃してしまうことになるのだ。
–
や
–
を引いて、
待ちのテンパイになるのが9枚。
しかも、
タンヤオにならない
は2枚飛び。
マンズでアタマが出来ても、タンヤオになるのなら、カン
待ちになっても不安は小さい。
下家にソウズの下(数字の小さい方)が安いのもあるが、ここは滝沢、ドラそばの待ちを嫌いながら、テンパイする枚数が多くなるように構えた。
これを、
逢川からアガって、タンヤオドラ赤赤、8000点。
これで滝沢は微差ながらトップ目に。
そして、この試合最大の見せ場となったのは、東3局だ。
7巡目、マンズ待ちテンパイが入った滝沢。














