竹内元太が我慢強い麻雀で
「チーム状況に助けられ」
貴重なトップを持ち帰る
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年2月24日
本日のMリーグは、私の観戦記で最多3回目となる竹内元太の打牌を取り上げたい。元太の麻雀は一言でいうと「我慢」だ。麻雀を打っていて、手が育ってきたら「アガリたい」欲が出るものだ。私なんて今日の麻雀で親のリーチに対して、ピンフのみの1シャンテンから1牌プッシュしてきちんと満貫に放銃したというのに。
しかし、元太は我慢、我慢、我慢。スっとやめてしまう。すでにこの時点で真似できないのだが、普通の人は同じような打ち方を真似しても、ただアガリ率が低くなるだけだ。
しかし元太にかかれば、点数状況、場、相手の速度と打点など、すべての要素を判断材料に加えることができ、その結果これまで昨シーズンから今日までの68試合で平均着順が驚異の2.25という成績に繋がっている。
第1試合
東家:石井 一馬(EARTH JETS)
南家:堀 慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)
西家:白鳥 翔(渋谷ABEMAS)
北家:竹内 元太(セガサミーフェニックス)
本日の試合結果は、常にドラが11枚あるMリーグで3万点台という、いつひっくり返ってもおかしくない点差のトップを守り切った元太がセガサミーを単独4位と押し上げた。
元太と同じアガリ回数で、放銃は0回の白鳥が2着に。
今季は苦しい。リーチ回数は誰よりも多いが、アガリまでは一歩及ばなかった堀が3着に。
東2局のチートイツがアガれていれば、結果はどうなっていたのか。アガリ1回、放銃0回の一馬が無念の4着となった。
■元太の定石ドラ切りから、華麗な押し返し
東2局、1本場。この局は親の堀、元太と石井それぞれの手がぶつかる局となった。結果的に元太はこの局を見事アガり、この加点分の点差でトップとなった。
元太の代名詞ともいえる早い巡目でのドラ切り。ドラが重なったり、メンツができればよいが、相手から先制リーチや仕掛けが入った場合は切れなくなるケースも出てくる。切れないということはよっぽど牌が寄ってこないとテンパイすらできずオリることになる。後々のテンパイした際に押し返すためのドラ切りだ。特に親の堀の捨て牌が3巡目に打
と、手の形が良さそうだ。なんなら元太は東場といえ28000点のリードも考慮しているのだろう。
実際に堀の手はターツが揃っていて、元太の読みはバッチリである。
次巡、元太は打
でより手牌をスマートな形にしていく。場に
が2枚、
が1枚切れていることもあるが、いかに親の堀を警戒していることがわかる。
これは元太が少し考えた10巡目。元太目線だと、自身は1シャンテンも早いと思っていた堀からはまだリーチが来ないが、備えておきたい局面だ。となると堀の現物
を残し、うまく
→
と引ければタンヤオも見えるが。
元太はここで打
とし
を残した。理由は南家、白鳥の河には真ん中の牌が多く切られており、少し速度感があるため、役牌である
をポンさせたくないのが1つ。もう1つは親の堀が
をトイツ落とししており、
はほとんど通るため。もしかしたら白鳥にドラがあって、
をポンさせたことで、アガリを生むかもしれない。その可能性すらつぶそうとした一打だ。
堀、元太が同じ11巡目にテンパイ、即リーチ。二人の勝負になるかと思われたが、一馬にもテンパイが入る。
チートイツ、ドラドラのテンパイ。待ちである
は堀の筋で、元太の現物である。この局はこの3人の勝負になった。
結果は元太のツモアガリ。点数は1300-2600と堀のリーチ棒が1本だが、このアガリでトップになったといっても過言ではない。
なぜなら、まず堀はカンチャンもシャンポンもどちらが有利などないが、もしもカンチャンなら一発ツモだった。
一馬は
単騎にしていれば、堀からのロンアガリとなっていた。しかも一馬が
単騎にしなかった理由は、元太の宣言牌が
であることからアンコから切っている可能性も考慮したと思われる。元太が悩んだ
残しがこのような結果を導くとは、あの時誰が想像しただろうか。とても真似できない、観ていて楽しい1局だった。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano













