ABEMAS白鳥翔が
難しいオーラスの選択を乗り越え、
「ようやく1勝」
文・中野巧【火曜担当ライター】2026年3月3日
レギュラーシーズンも残すは約10試合。セミファイナルへのボーダー争いが激化する終盤戦、例年よりチームスコアを意識した選択が多くなる。上位チームは無理にトップを決めにいかず、下位チームは1%でもトップが見えるなら、それに向かって猛進することも。その代償としてその選手の持ち味が出にくい場面が増えることか。もしもレギュラーシーズンの順位ごとに賞金があれば、観ているファンが賞金を意識した選択を受け入れられるなら、最後まで自分らしい麻雀を打ち切れるかもしれない。
ただ、終盤戦のだいご味は、本来なら選手がしないだろう強気な選択や、チーム戦のプレッシャーに顔をゆがめるシーンが観られるところにもある。このルール、10試合あれば200ポイント差は安心できない。
第1試合
東家:東城りお(BEAST X)
南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
西家:阿久津翔太(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:黒沢咲(TEAM RAIDEN / 雷電)
第1試合の結果はこちら。トップとなったのは最もボーダーに近い7位の渋谷ABEMAS白鳥。リーチ回数6回、アガリ4回と勝負所に強い男が、6位雷電とのスコアを詰めた。
2着は序盤からゆったりとした手組で点数を伸ばした東城。東1局1本場の赤2枚の手で窮屈なテンパイを取らなかった進行は、結果さえ放銃となったものの、彼女とそのチーム状況の余裕を感じさせた。
3着は、この試合でリーチやヤミテンの難しい場面を即断してきた阿久津。東3局まではトップ目で、今回も彼のペースかと思われたが、東4局1本場の勝負手がアガれなかったことが痛かった。
4着はABEMASとのボーダー争いの直接対決でまさかのトップラスとなってしまった黒沢。強気なヴィーナスもチーム状況からくるラスだけは引きたくない思いから東3局に5200点のテンパイをオリた場面も。
この試合は見どころがたくさんあったのだが、やはり白鳥の選択がはまったオーラスを紹介したい。
トップと2800点差の白鳥。赤を2枚使うと無条件でどこからアガってもトップとなるが。
彼が選んだのは
。
また、この時の表情が今日一番卓の中に入り込んでいるようだった。
の理由は①![]()
を先に引いた場合にシャンポン待ちでリーチをした時、
が出やすくなることだ。その場合はツモか東城からの直撃、もしくは裏1枚以上の条件が付く。理由②はすでに
が1枚切られており、
は1枚も切られていないこと。理由③はチートイツのテンパイをした場合、3200点以上が確定するため、アガれば逆転となること。また
が白鳥からはよく見えていたこと。この3つの理由から、本来は持っていれば打点がアップする打
とした。
思わず東城も飲んでいる水を吹き出しそうな表情。
が切られたことで、ドラ1枚に頼らずとも2800点差を逆転できる手が入っていること、またその進行がかなり早いことを意味する。
次巡、東城からすると「やっぱり」と思うような白鳥からの先制リーチが打たれる。白鳥はダマテンでも
であればどこからでも逆転できたが、ラス親で攻めてくる黒沢に
が打たれており、今後黒沢からが
を引いた場合は出てくる可能性もあるため、リーチに踏み切った。
東城はたとえ白鳥に倍満を放銃しても2着のため、ここは攻めの一手。
をポンして2枚切れだがリーチの現物であるカン5p待ち。
先に相手のアガリ牌を掴んだのは東城。もし白鳥が
を切らなければテンパイを逃していたため、どんな展開になっていたかわからない。この土壇場で結果を出す男、白鳥。今年も昨年に続き所属団体のトップである鳳凰位を連覇した彼の勢いはまだまだ止まらない。
ここから5,6,7位の熾烈なボーダー争いはもっと面白くなる。

日本プロ麻雀連盟所属、プロ歴2年目。
英語、イタリア語が話せる。
麻雀プロの活動を中心にするため大企業を退職し、京都に家族を置いて上京。
現在は日本プロ麻雀連盟本部道場でスタッフとして在籍中。
いつかは書かれる側を夢みておもろい麻雀と服装を実践中。
X:@taknakano














